医学科/保健学科の特徴

医学科の特徴

医学科の目標は、高い臨床能力と豊かな人間性を兼ね備え、患者さんに信頼される医師、および医学・生命科学の分野をリードできる優れた研究者を育てることです。南西諸島に位置し、歴史的に東南アジア諸国との交流が深いという地域特性を生かして国際的に活躍できる医師の養成も目標の一つとしています。

臨床医学教育では、日々進化・多様化する医療に柔軟に対応できるように、最新の知識や技術を習得することができます。加えて、琉球大学では臨床実習期間を拡充したこと、模擬患者(シミュレーター)を活用可能なことにより、臨床能力をより高めることができるようになりました。また、教育課程に地域病院での実習を組み込んでいるので、地域医療の実際を体験することができるほか、米国や台湾などの国外の大学や病院で短期研修を行うことが可能です。

基礎医学教育では病気の成り立ちを理解する上で不可欠の分野について、社会医学教育では人々の健康と社会的要因の関連について学びます。研究室配属を教育課程に組み込んであるので、興味がある分野の研究活動の最前線を3ヶ月間体験することができます。より基礎医学・社会医学への関心が高い学生は、MD-PhDコースを利用して、医学部在学中に博士課程を修了することが可能です(MD-PhDコースについてはこちらを参照:MD-PhD実施要項)。

医学科の教育期間は6年間です。1年次から4年次までは基礎医学、臨床医学、社会医学の座学と実習が中心です。3年次に研究室配属や離島地域病院実習といった、より実践的な実習を行います。臨床実習に先立ち、臨床能力試験のOSCE(Objective Structured Clinical Examination)と学科試験に相当するCBT(Computer-Based Testing)に合格する必要があります。そして、いよいよ4年次の後半から患者さんと実際に接する臨床実習が始まります。6年次の臨床実習終了後に、総合試験(卒業試験)と臨床実習後OSCE に合格することで卒業資格(医師国家試験受験資格)が得られます。その後、医師国家試験に合格することにより、医師として活動することができます。

医学科卒業後の進路について

臨床医になるためには

臨床医として患者さんの診察・治療を行うためには医師免許が必須です。医師免許の取得のためには、医学部医学科を卒業し、医師国家試験に合格する必要があります。免許の取得後に、2年間の初期臨床研修(必修)を済ませた後、専門とする診療科で後期専門医研修を受けます。その後は技量・経験に応じて専門医や認定医の資格を取得することが一般的です。

医療行政に関わるためには

厚生労働省医系技官、保健所医師、検疫所医師として医療行政に関与することも可能です。一般的には、初期臨床研修(必修)の終了後に採用試験による選考を受けることになります。採用の詳細につきましては、厚生労働省や各自治体に問い合わせてください。

研究者になるには

研究者となるためにはいくつかの方法があります。医学科を卒業後、いずれかの時点で4年間の大学院に進学し、研究を開始することが一般的です。大学院に進学し、大学院終了後(博士号取得後)は、医師として医療に復帰することも研究を続けることも可能です。大学院に進学しなくても、臨床医として働きながら研究を継続して行うこと(6~10年以上)で博士号の取得資格を得ることもできます。

MD-PhDコースについて

琉球大学では基礎医学研究・社会医学研究に関心がある学生を対象にMD-PhDコースを設けています。4年次終了後に医学科をいったん休学して大学院に進学し、4年もしくは3年間研究を行います。所定の条件を満たして大学院を修了したあと、5年次生として復学し医学科を卒業します。医学科卒業後は、臨床医・研究者・医療行政などいずれの進路をとることも可能です。

 

保健学科の特徴

保健学科は、沖縄県が米国統治下にある昭和43年に、沖縄県の医療及び公衆衛生の向上と強化を計るため大学教育の中で、不足していた保健医療専門職員の養成を目的として保健学部が設置されたことに始まります。昭和56年の医学部医学科の設置に伴って保健学科と改称され、今日に至っています。保健学科の目標は、生命を尊重する倫理観をもち、社会から求められる健康増進の要求に柔軟に対応でき、科学的根拠と実践力を有する専門職を育成することです。創設以来、看護師、保健師、助産師、養護教諭、臨床検査技師、健康食品管理士などの人材を輩出しており、卒業生は県内外の保健・医療・福祉・教育分野で活躍しています。

保健学科の教育期間は4年間です。平成29年4月より4学期制となり、1年次から、琉球大学の共通科目を履修すると同時に専門科目も学ぶことになります。そのため学生は1年次の後学期までに看護学コースか、検査技術学コースかのどちらかを選択します。2・3年次から座学に加えて、コースに応じて病院などでの臨地実習と、保健学科教育の集大成である卒業研究を行います。卒業研究は、それぞれの指導教員の下でおこない、本学科が定める評価基準に基づききちんと評価を受けます(評価基準はこちら:看護コース検査技術学コース)。卒業生は保健学士の学位が授与されます。

看護学コースについて

本コースを修了することにより看護師国家試験の受験資格が得られます。また、所定の選択科目を履修することにより、養護教諭資格や、保健師・助産師の各国家試験受験資格を得ることができます。

検査技術学コースについて

臨床検査技師とは、病気の診断や治療効果の判定などに必要な検査を実際に行う専門職のことです。血液や手術により摘出された病片といった検体の検査や、心臓や肺の機能を調べる機能検査といった様々な検査業務に携わる職業です。検査技術学コースを修了することにより臨床検査技師の国家試験受験資格が与えられます。また、所定の選択科目を履修することにより、健康食品管理士の認定試験受験資格を得ることができます。

国家試験合格率

平成28年度卒業生の国家試験合格率は看護師97.1%、保健師100%、助産師100%、臨床検査技師85.0%でした。