医療者として歩み出す時に、大きな糧になります。

山田 亨 山田 亨
平成15年度医学部保健学科卒業
東邦大学医療センター大森病院 急性・重症患者看護専門看護師
私は集中治療室で専門看護師として働いていますが、10数年前、私が配属されたのは希望した救命救急センターでした。そこで師長から言われたのは「あなたは保健師でもあるのだから、この救命救急センターで保健師として働くことを意識しなさい」でした。このとき、健康を保つというところから逸脱してしまった患者さんが、救命救急センターに入るのだから、保健ということをどう理解し、働けばいいのか悩みました。しかし、ふと大学時代に地域看護実習、卒業研究、高齢者の調査のアルバイトで訪問させていただいた地域住民の皆さんのことを思い出しました。住民の皆さんは、様々な生活背景のなかで、それぞれが健康に対する価値観を持って生活をされていました。そのとき初めて、救命救急センターにいる私にできることは、重篤な症状や外傷で救命救急センターに来院される患者さんが、合併症なく、一日でも早く社会復帰して、もとの生活に戻ることだと思いました。当たり前のことなのですが、とても重要なことです。この重要性に気づけたのは、大学時代に保健学を実際に肌で感じながら学ぶことができたからだと思います。琉球大学医学部保健学科に進学を考えている方、是非、大学で教えてもらう学び以外にも広い視野を持って、様々なことを経験していただければと思います。その経験は、皆さんが医療者として歩み出す時に、大きな糧になります。