琉球大学医学部附属病院麻酔科の臨床研究結果が米国麻酔学会でプレスリリースされました

去る、10月21日から25日まで開催された米国麻酔学会(ボストン)において、琉球大学医学部附属病院で行った臨床研究の結果がプレスリリースとして公開されました。

この臨床研究は、附属病院手術室にて行われたアセトアミノフェンに関する二重盲検無作為対照試験です。全身麻酔下で婦人科手術を受ける症例(37症例)を、無作為にアセトアミノフェン術中投与群と生理食塩水投与群(対照群)の2群に分け、術後のシバリング発生頻度、シバリング強度そして周術期体温などを比較検討しました。

その結果、対照群では73.7%の症例で術後シバリングを認めましたが、アセトアミノフェン群では22.2%と有意に(p=0.0017)その頻度は減少しました。この試験は薬剤部の全面的なご協力を頂き、手術前日にアセトアミノフェンあるいは生理食塩水を充填した注射器が準備されるというように、麻酔科医も担当看護師もブラインドというバイアスがない臨床試験でした。この結果は、37例という少ない症例で明らかな統計学的有意差を示したことから、当初の予定より少ない症例数で試験を終了しました。

この演題内容が注目されていたためか、附属病院麻酔科医員の金城健大先生の発表時にも多くの方々から質問され、またその機序についての議論も熱く、30分間の持ち時間があっという間に過ぎていきました。

今後も、このような臨床研究をきちんと計画し、琉球大学から世界に多くの情報を発信できるようにしていきたいと思います。