ゲノム医科学

ゲノム医科学ご紹介

講座名ゲノム医科学
講座サイトゲノム医科学
スタッフ教授  : 

準教授 小田 高也 toda@med.u-ryukyu.ac.jp
助教 西本 高明 tnishi12@med.u-ryukyu.ac.jp

概要

主として、ヒト内在性レトロウイルス (human endogenous retrovirus, HERV) 研究とエピジェネティクスの複合遺伝性疾患への関わりを追求しています。

HERV 研究ではHERVの生理的・進化的役割の解明を目指して、正常組織で発現しているHERVを探索し、特徴的な3つを同定しています。gagまたはenv領域に蛋白コード枠がとれる各1つは、in vivoでの蛋白合成と細胞局在を検討中です。他の1つは蛋白コード枠のない転写物が核に局在します。近年、ノンコーディングRNAは多様な様式で遺伝子発現調節に関与していることが明らかにされています。このような観点から興味深いものです。

エピジェネティクス研究では統合失調症を対象にDNAのメチルC含量を検討しました。男性患者と健常者に差が存在すること、ハロペリドールはメチル化に影響を与えることなどを明らかにしました。メチル化は遺伝子発現に関係します。そこで、ラット脳を用いてハロペリドールによって発現変化を来す遺伝子をマイクロアレイで探索し、自動定量RT-PCRで検証しました。ハロペリドールによってメチル化の変化を受けるDNA配列を同定することが次の課題です。

また、地中海熱の日本人患者の遺伝子解析の共同研究を行い、日本人特有の異常を見いだしました。遺伝性疾患の遺伝子解析があれば同じように共同研究をしたいと思います。

大学院での研究指導内容

・内在性レトロウイルスの生理機能ならびに疾病への関連解明
・後成的ゲノム修飾(エピジェネティクス)の複合遺伝性疾患及び加齢依存性機能変化に及ぼす影響
・胎盤における内在性レトロウイルスの発現メカニズムとそれらの役割解明