令和元年度でいご会総の開催について(通知)

新任教授のご紹介~大学院医学研究科 システム生理学講座 宮里 実 教授~

初めまして、平成31年4月1日付けでシステム生理学講座の教授を拝命しました宮里実と申します。平成最後、また令和元年、まさしく記念すべき年の就任を大変光栄に思っております。

私は、平成5年に本学医学科を卒業し、ただちに本学(母校)泌尿器科に入局しました。その後、25年にわたり泌尿器科医として臨床の外科医として診療にあたってまいりました。そういう私が、なぜ母校の基礎講座の教授になったか、まずそこから説明したいと思います。研修医時代は東京の小児病院(清瀬小児病院)で過ごしたのですが、そこで生涯の恩師と出会うことになりました。「10年先を見据えて過ごしなさい。」と叩き込まれました。また、こどもの先天性疾患を通して、病態(生理)に基づいて、10年、20年先を見据えて診療にあたる大切さを学びました。その後は、一泌尿器科医として泌尿器科の診療を一心不乱にこなしてきました。その中で、研修医時代に叩き込こまれたことを「座右の銘」として、知らず知らずのうちに「生理学」を追求してきたのだと思います。そのなかで、特に排尿生理に興味を持ちました。2006年から2年間排尿生理、薬理で有名な米国ピッツバーグ大学で遺伝子治療、排尿の新たな創薬開発の研究に携わりました。2009年から2年間東北大学でも臨床研究の幅を広げました。排尿生理を通して神経生理学を学び、25年という月日が過ぎたとき、臨床、研究はパフォーマンスの違いこそあれ、根幹にあるものは不変であるという感覚をもちました。

現役最後は母校、後輩のために過ごしたいという思いもいつしか芽生えておりました。そして、50歳を迎え、男子の本懐を遂げるべく、基礎講座への転身を決意致しました。とはいえ、臨床医であることに変わりはなく、二刀流で新たな生理学の境地を切り開きたいとも思っています。ノーベル医学生理学賞といわれるように、生理学は医学の根幹をなすものです。本学医学部を目指す高校生諸君がこのホームページを見て、何かを感じて頂けたら望外の喜びです。母校の後輩、また縁あって琉球大学へ集った学生、研究者の皆様とともに、医学の進歩に貢献したいと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

2019年度 就任の挨拶

この度は医学部長に信任していただき、誠にありがとうございます。今後2年もよろしくお願いいたします。大屋祐輔理事・附属病院長、医学部・医学研究科執行部とともに、医学部・医学研究科・保健学研究科の発展に寄与する所存です。

1.医学部及び同附属病院の移転について
平成31年度概算要求として内閣府から、沖縄健康医療拠点整備経費約59億円が措置されました。一昨年の10月から、基本設計に入り、医学部及び同附属病院移転整備基本設計が終了し、本年度から本格的に実施設計に着手しています。平成30年3月に、宜野湾市土地開発公社による琉大用地の先行取得が完了し、平成31年度より、買い戻し手続きを開始します。2025年を目処に、医学部及び同附属病院を宜野湾市(平成27年3月に返還されたキャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区))に移転することを目指しております。この医学部及び同附属病院の移転について、国が目指す国際性と離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点に相応しいキャンパス整備を目指し、全学を挙げて取り組むため、皆さまのご協力をお願いいたします。

2.教育面について
医学科は、一昨年の12月に、日本医学教育評価機構(JACME)による外部評価を受審し、昨年11月1日付けで評価基準に適合しているとして認定されました。認定期は、2018年11月1日から2025年10月31日までとなります。本評価におきまして、改善の提言を受けた事項については、組織的に見直すとともに、教職員及び学生へフィードバックしていき、皆様とともに、毎年良い教育プログラムとなるよう改善につとめてまいりたいと思います。また、医学科6年次に係る共用試験臨床参加型臨床実習後OSCE(POST CC OSCE)をこの秋に開始します。この3月の医師国家試験合格率が全国平均をかなり上回り、皆様及び学生さんの努力の賜物であり、たいへんにおめでたいことです。医科学研究では、海外・県外に飛び出す学生も多く、優秀な発表をしており、今年度の発表も素晴らしいものがありました。
保健学科はクオーター制が定着し、それを利用して保健学科学生を公的資金で2週間の短期留学に送り出しています。また、遠隔授業・招聘授業による単位互換の開始を行なっています。今後は、附属病院看護部との協力体制の構築を図りたいと思います。
大学院および人材育成については、文部科学省補助金事業として、「臨床研究マネジメント人材育成」、多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン、実践力と研究力を備えた法医学者育成事業が進められています。その結果、定員を充足する大学院生を迎えることができました。保健学研究科では公衆衛生学コースの設置を考えていきたいと思います。

3.国際交流
保健学研究科では国際化を推進しています。フィリピン大学、チェンマイ大学との学生交流や国費外国人留学生(フィリピン、ラオス、インドネシア)の受入を行なっています。2月には、フィリピン大学、ラオス国保健省、台北医学大学、インドネシア・アイルランガ大学、マタラム大学との国際シンポジウムを開催しました。延生大学から客員教授を招聘しています。
医学研究科・医学科としては、昨年の9月にシンガポールの南洋理工大学から副学部長らが琉球大学を訪問し、来年度から臨床実習での交流が始まります。また、東京理科大学、台北医学大学と共催で昨年3月に第3回国際バイオメディカル・インタフェース・シンポジウムを沖縄で開催し、今年3月には第4回を台湾新竹市の国立交通大学で行い、育成医学の中西教授が発表されています。

4.研究について
基盤研究Aを始めとする多数の科学研究費補助金を獲得し、また、概算要求事業として、「亜熱帯島嶼の時空間ゲノミクス」、「沖縄県地域医療拠点形成に向けた先端医学研究センターの設置」が走っています。さらに、「沖縄バイオインフォメーションバンク冷蔵試料管理システム」が整備されました。また、沖縄県の先端医療実用化推進事業やAMEDの「難治性疾患実用化研究事業」「臨床研究・治験推進研究事業」AMED「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」、武田科学振興財団特定研究助成を活用しつつ整備を推進しています。今年度運営費交付金の一部を、産学連携等研究収入、寄附金などの教員一人当たりの額により、増減されています。医学部及び同附属病院の獲得額が一番多いのですが、皆様のますますのご尽力をお願いしたいところです。これらの外部資金の獲得等をもとに、クロスアポイントメント、人事交流を盛んにして、研究の底上げが必要になります。すでに、千葉大学からクロスアポイントメントで特命教授を採用し研究が始まっています。
昨年の優れた研究業績として、Blood, Cell Reports(内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座、いづれも筆頭著者), American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(薬理学講座、責任著者), Diabetes, Circulation(先進ゲノム検査医学講座、共著者), Science(人体解剖学講座、共著者)などがありました。今年度もまた、素晴らしい雑誌への掲載をお願いいたします。

昨年も述べましたが、教育、研究、診療環境の整備は、大事です。ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは重要な責務であると考えています。最後ではございますが、皆様のご多幸と健康を祈念し、また、医学部及び同附属病院の発展を祈願します

 

平成31年4月2日
琉球大学医学部長・医学研究科長 石田 肇

平成29年度 医学研究科 研究・教育業績評価 優秀者表彰式



附属病院病理部の臨床検査技師が医学教育等関係業務功労者表彰を受賞しました

平成31年3月6日に文部科学省において医学教育等関係業務功労者表彰式が行われ、医学部附属病院病理部 臨床検査技師の仲宗根 克氏が表彰されました。

この表彰は、大学における医学又は歯学に関する教育、研究若しくは患者診療等に係る業務に長年従事され、顕著な功績のあった者に対して行われるものです。

仲宗根氏は昭和57年に琉球大学保健学部を卒業し、臨床検査技師、細胞検査士、国際細胞検査士の資格を取得した後、平成6年から琉球大学医学部附属病院検査部病理室に奉職、平成12年の病理部発足に伴い病理部に異動し、現在に至ります。以降、病理診断・病理解剖の業務に従事し、精度管理を創意工夫し、病理部の運営に精励するとともに、医学科および保健学科学生の指導教育に永年関わってこられました。

さらにがん基本法の設定以来、がん拠点病院の必要条件である細胞検査士として、本院の婦人科領域や昨今の迅速細胞診・ベットサイド細胞診など全科的に貢献しました。

また、本院内での細胞検査士を育成するとともに、沖縄県臨床細胞学会・教員委員会委員長として県内病院・施設の若手技師に対して細胞診教育を実践し、沖縄県における多数の細胞検査士育成にも貢献しています。

仲宗根氏は今回の表彰に対して、「私どもの業務は裏方ですが、評価・推薦して頂いた先生方に感謝し、さらに発展するために今後とも精進していきたい。」と喜びとともに今後の抱負を述べられています。

 

医学部保健学科が国際シンポジウムをJICA沖縄と共に開催しました

医学部保健学科とJICA沖縄が、2019年2月18日に第2回国際保健シンポジウム(The second International Symposium on Global Health)をJICA沖縄国際センターにて開催しました。

シンポジウムでは、海外からの参加者に加え、保健学科が技術協力しているJICA研修プログラム(地域保健システム強化による感染症対策、公衆衛生活動による母子保健強化)に参加している海外からの研修員、保健学科の教員・大学院生らが参加しました。

台北医科大学 Hung-Yi Chiou 教授らによる台湾での乳がんスクリーリングの有用性、本学の平井 到 教授による薬剤耐性菌対策などの教育講演に続いて、本学の大学院生、インドネシア国マトラム大学講師(公衆衛生学)、ラオス国基幹病院の医師(院内感染対策)らによる研究発表が行われました。

このシンポジウムを通じて参加者は、専門知識・発表技法の習得、国際ネットワークの形成、科学的根拠に基づく保健医療実務の理解などを達成しました。台北医科大学のChiou教授、Betty 教授からは、「大変有意義なシンポジウムであった。特に大学院生の発表はレベルが高く評価できる。」との言葉をいただいています。

(投稿者:国際地域保健学分野教授 小林 潤 教授)

故 小杉忠誠名誉教授が叙位・叙勲を受章されました

元琉球大学医学部生理学第一講座(現:分子・細胞生理学講座)教授の故 小杉忠誠名誉教授が平成30年10月4日に正四位瑞宝中綬章を受章され、平成31年2月15日に、本学医学部長室で叙位・叙勲授与式が行われました。

叙位・叙勲とは、公共的な職務の複雑度、困難度、責任の程度などを評価し、職務をはたし成績をあげた人に対して、授与されるものです。

故 小杉名誉教授は昭和56年に、琉球大学医学部医学科生理学講座の助教授に就任し、昭和63年より生理学第一講座教授に昇任されて以来、21年間にわたり、教授として研究・教育に携わってこられました。

また、学外においては、日本生理学会評議員、日本アレルギー学会評議員、日本血栓止血学会評議員、日本脈管学会評議員、日本病態生理学会理事を務められました。さらに、平成16年4月から平成20年3月まで日本生理学会常任幹事を務め、平成20年4月から平成24年7月まで日本病態生理学会理事長を務められました。

学内、学外において、教育・研究・大学運営・学界及び地域社会に貢献された 故 小杉名誉教授の叙位・叙勲授与式には、奥さまの紘子さんが御出席され、石田医学部長から表彰状が授与されました。

 

奥さまの紘子さん(左)と石田医学部長(右)

 

 

勲記

 

 

位記

 

 

 

 

 

 

 

オーストラリアからの留学生 ジャスミン・ミルマンさんがロータリー米山記念奨学生に選ばれました

オーストラリア メルボルンから、内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座 博士課程 大学院生として留学中のジャスミン・ミルマンさんが、このたび、50年の歴史と伝統を誇る ロータリー 米山記念 奨学生に選ばれました。

この奨学会は ロータリークラブ会員の皆様からの御寄附によって支えられており、奨学生期間が終了したのちも米山出身者として堅い絆で結ばれ、全世界で活躍する人々とのネットワークが構築されています。

過去にロータリー米山記念奨学生として奨学金を受けた海外留学生の中からは 後年、駐日大使になった方もいらっしゃいます。

ジャスミンさんは、極めて厳しい競争倍率と審査を勝ち上がり、沖縄県から唯一の奨学生に選ばれました。

 

ジャスミン・ミルマンさん

平成30年度(第33回) 沖縄県医科学研究財団 研究奨励賞と研究助成の受賞しました

第33回 公益財団法人沖縄県医科学研究財団 表彰および授与式が平成31年2月4日(月)、那覇市内のホテルにて開催されました。琉球大学医学部および附属病院に所属する4名の研究者が研究奨励賞および研究助成を受賞し、宮城信雄 同財団理事長(沖縄第一病院理事長)から賞状および助成金を授与されました。おめでとうございます。

本財団は、株式会社白石(那覇市)の創始者である故白石武八郎氏(琉球大学でいご会初代会長)が、沖縄県における医療の質の向上のために様々な支援を行われ、また琉球大学医学部設立にも尽力されたことを受け、氏の御遺族が長年氏の診療にあたった故大澤炯教授(当時の泌尿器科教授)に御芳志を託され、沖縄県における医学研究の促進のために設立されました。同財団からは、沖縄にゆかりのある研究者が行う、沖縄に関連のある研究や先進性の高い研究に対して、研究奨励賞や研究助成が与えられます。

今回、本学から以下の4名の医師・職員が受賞されました。また、功労賞には許田英子先生(浦添看護学校顧問)が選ばれました。

 

【研究奨励賞】

山城 恒雄 氏(琉球大学医学部附属病院放射線科 講師)
「4次元呼吸ダイナミックCTを用いた胸部の動態解析とその臨床応用」

金城 武士 氏(琉球大学大学院医学研究科感染症・呼吸器・消化器内科学講座 助教)
「沖縄県における呼吸器感染症の疫学と臨床像の解明」

 

【研究助成】

大平 葵 氏(琉球大学大学院医学研究科皮膚病態制御学講座 大学院生)
「沖縄県に多発する頭部血管肉腫の予後因子の探索」

ヘルマワン イダム氏(琉球大学大学院医学研究科細菌学講座 技術補佐員)
「沖縄県における土壌からの病原性レプトスピラの分離」

 

式典の様子。前列が受賞者の5名。

 

保健学研究科特別プログラム(OKINAWA GLOBAL HEALTH SCIENCE )募集要項

OKINAWA GLOBAL HEALTH SCIENCE PROGRAM

①Okinawa Global Health Science Program

②Check list and Application form

Download [ZIP of MS-Word files]

*Contact Us(詳細についての問い合わせ先)*
      TEL:098-895-1053
      Mail:igzgaksen@to.jim.u-ryukyu.ac.jp

清水雄介教授・角南寛特命助教が 「幹細胞抽出培養シート」を共同開発しました

本学医学研究科形成外科学講座 清水雄介教授と先端医学研究センター 角南寛特命助教が県の助成金を活用し、医療機器ベンチャーのオルソリバース株式会社と幹細胞を低コストで抽出培養できる「幹細胞抽出培養シート」を共同開発しました。この幹細胞抽出培養シートは2018年の12月より、フナコシから販売開始されています。

従来の幹細胞の抽出と培養は、高額な薬剤を多量に使用するため、コストがかかるうえに、薬剤の使用により細胞へのダメージを与えるリスクもありましたが、「幹細胞抽出培養シート」は、生体吸収性ポリマーを主成分とする繊維状物がベースとなっており、薬剤をほとんど使用せずに幹細胞を抽出・培養することが可能です。そのためコストの低減、細胞ダメージの低減が期待できます。

また、幹細胞抽出培養シートはそのまま患部に移植して、組織再生の足場材としての機能を果たすことが期待できます。さらに、幹細胞を注射器で注入する方法と異なり、幹細胞の患部外への流出を防止できるため、短期間での組織再生が期待できます。本シートは曲げたり丸めたりが容易に行えるため、医療者にとって扱いやすいという利点もあります。

将来的には、骨の大欠損部の治療、乳房の再建、臓器の再生といった再生医療製品としての実用化が期待されます。

 

 

 

医学研究科の学生が大学女性協会の奨学生に選ばれました

大学院医学研究科生化学講座の澳津志帆さん(博士課程2年次)が、大学女性協会の奨学生に「カルマン症候群の発症メカニズム解明への生化学的解析」というタイトルで選ばれ、2018年度国内奨学金贈呈式(2019年1月12日土曜、東京)に参加しました。

大学女性協会は、奨学金事業、女性リーダーの育成、国内外の諸問題に対する提言活動など多様な事業を展開し、女性の地位向上を目指した公益活動を行っている一般社団法人です。

今回、澳津さんが選ばれた「一般奨学生」は、優秀な女子学生に送られる賞で、今年は36名の応募者の中から5名が選ばれました。奨学金の贈呈を受けて、澳津さんは、「今回の受賞を励みに、社会に貢献できる研究活動を続けていきたいと考えています。また、研究者を目指す女子学生のロールモデルとなれるよう邁進してまいります。」と今後の抱負を述べています。

2019 年頭の挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

昨年の成果と今年の抱負を述べて、皆様に新年の挨拶を申し上げたいと思います。

1.教育面について

医学科は、一昨年の12月に、日本医学教育評価機構(JACME)による外部評価を受審し、昨年11月1日付けで評価基準に適合しているとして認定されました。認定期間は、2018年11月1日から2025年10月31日までとなります。本評価におきまして、改善の提言を受けた事項については、組織的に見直すとともに、教職員及び学生へフィードバックしていき、皆様とともに継続的により良い教育プログラムとなるよう改善に努めてまいります。また、医学科6年次に係る共用試験臨床参加型臨床実習後OSCE(POST CC OSCE)のトライアルを実施しました。

保健学科はクオーター制が定着し、それを利用して保健学科学生を公的資金で2週間の短期留学に送り出しました。また、遠隔授業・招聘授業による単位互換の開始を行なっています。

大学院および人材育成については、文部科学省補助金事業として、「臨床研究マネジメント人材育成」、多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン、「実践力と研究力を備えた法医学者育成事業」が進められています。

2.国際交流

保健学研究科では国際化を推進しています。フィリピン大学、チェンマイ大学との学生交流や国費外国人留学生(フィリピン、ラオス、インドネシア)の受入を行なっています。2月には、フィリピン大学、ラオス国保健省、台北医学大学、インドネシア・アイルランガ大学、マタラム大学との国際シンポジウムを開催します

医学研究科・医学科としては、昨年の9月にシンガポールの南洋理工大学から副学部長らが琉球大学を訪問し、来年度から臨床実習での交流が始まります。また、東京理科大学、台北医学大学と共催で昨年3月に第3回国際バイオメディカル・インタフェース・シンポジウムを沖縄で開催し、今年3月には第4回を台湾新竹市の国立交通大学で行います。

3.研究について

基盤研究Aを始めとする多数の科学研究費補助金を獲得し、また、概算要求事業として、「ガス分子群を用いた革新的治療法の開発を目指した橋渡し研究」、「亜熱帯島嶼の時空間ゲノミクス」、「沖縄県地域医療拠点形成に向けた先端医学研究センターの設置」が走っています。さらに、「沖縄バイオインフォメーションバンク冷蔵試料管理システム」が整備されました。また、沖縄県の先端医療実用化推進事業やAMEDの「難治性疾患実用化研究事業」、「臨床研究・治験推進研究事業」、「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」、武田科学振興財団特定研究助成を活用しつつ整備を推進しています。

優れた研究業績として、Blood, Cell Reports(内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座、いずれも筆頭著者), American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(薬理学講座、責任著者), Diabetes, Circulation(先進ゲノム検査医学講座、いずれも共著者), Science(人体解剖学講座、共著者)などがありました

4.医学部及び同附属病院の移転について

平成31年度概算要求として内閣府から、沖縄健康医療拠点整備経費約59億円が措置されました。一昨年の10月から、基本設計に入り、医学部及び同附属病院移転整備基本設計のとりまとめ及び実施設計に着手しています。平成30年3月に、宜野湾市土地開発公社による琉大用地の先行取得が完了し、平成31年度より、買い戻し手続きを開始する予定です。2025年を目処に、医学部及び同附属病院を宜野湾市(平成27年3月に返還されたキャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区))に移転することを目指しております。この医学部及び同附属病院の移転について、国が目指す国際性と離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点に相応しいキャンパス整備を目指し、全学を挙げて取り組むため、皆さまのご協力をお願いいたします。

昨年も述べましたが、教育、研究、診療環境の整備は、大事であり、ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは重要な責務であると考えています。

最後ではございますが、皆様のご多幸と健康を祈念し、また、医学部及び同附属病院の発展を祈願し、年頭の挨拶といたします。

平成31年1月4日
琉球大学医学部長 石田 肇

論文博士の外国語試験公示

薬理学講座の筒井教授がATVB誌のTop Reviewer Awardを受賞しました

薬理学講座の筒井正人教授が、米国心臓協会 (American Heart Association: AHA)が発刊している国際医学雑誌Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology (ATVB)(インパクトファクター 6.086)のTop Reviewer Award 2018を受賞しました。

筒井教授は年間36報のATVB投稿論文を平均1日で査読し、世界のトップ10名の査読者の一人として表彰されました。授賞式は、今年11月11日、AHA学術集会の開催時に米国シカゴにおいて行われました。

ATVB誌Editor-in-Chiefの米国ケンタッキー大学Alan Daugherty教授によると、この賞の創設以来7年連続して受賞しているのは世界中で筒井教授だけとのことです。

高松先生(分子・細胞生理学講座)が、日本脳科学会で奨励賞を受賞しました

分子・細胞生理学講座助教の高松岳矢先生が、平成30年11月10日、千葉市で開催された第45回日本脳科学会で「双極性障害多発家系の強い遺伝要因の探索」というタイトルで研究成果の口頭発表を行い、奨励賞に選ばれました。

これは今回発表された8の演題から、3人の優秀な若手研究者の発表に送られる賞です。高松先生は前回第44回日本脳科学会(平成29年10月 弘前市)で「テスカルシンは神経細胞におけるクラス1ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬の標的遺伝子である」という別の研究でも奨励賞を受賞しており、2年連続の奨励賞受賞という快挙になります。

今回の研究発表は、病態メカニズムがわかっていない躁うつ病や反復性うつ病に関連する可能性のあるゲノム要因を沖縄県内の疾患多発家系を使って見出した研究です。将来的に病態解明や治療薬開発への大きな期待がかかる研究で、今後の発展が望まれます。

奨励賞を受賞した高松岳矢先生(左から1番目)

医学部医学科が医学教育分野別評価で適合認定されました

本学医学部医学科は、日本医学教育評価機構(以下JACME: Japan Accreditation Council for Medical Education)による自己点検評価報告書の精査並びに実地調査(2017年12月11日~12月15日)を受け、2018年11月1日に医学教育分野別評価基準に適合していることが認定されました。

医学教育分野別評価は、従来から行われていた大学の機関別評価の一環ではありません。医学教育に特化した評価事業で、一般社団法人であるJACMEが認証を行っています。これまでに、本学を含めて23の大学が認証されています。

日本での医学教育分野別評価の動きは、2010年9月、米国医師国家試験受験資格審査NGO団体(ECFMG: Educational Commission for Foreign Medical Graduates)から、「2023年以降は、国際基準で認定を受けた医学校の出身者にしか申請資格を認めない」と通告を受けたこと、いわゆる2023年問題に端を発しています。この通告を、「受験資格獲得のため」という捉え方ではなく、「医学のグローバル化に対応し、国際的に通用する医師養成制度を確立すべきとの警鐘」と受け止め、東京医科歯科大、東京大、千葉大などを中心に評価システムが構築されました。審査作業は2013年の新潟大学からスタートし、2015年、JACMEが正式に設立されました。2017年、JACMEが世界医学教育連盟(WFME: World Federation for Medical Education)の認証を受けたことにより、日本での認証が、国際基準となります。

従来の日本の教育は、「何を教えるか?」「何を実習で体験させるか?」というプロセス基盤型カリキュラムで構築されていました。しかしながら、国際基準では、予め明示した「卒業生が身に着けておくべき基準(コンピテンス)」を達成するための教育、すなわち、学修成果(アウトカム)基盤型教育が求められます。JACMEの評価においても、(領域2)学修成果が達成されるような教育プログラムが構築されているか?(領域3)成果が達成されたかどうか客観的に学生を評価しているか?(領域4・5・6)そのための、設備、教員などの資源は満たされているか?(領域7)教育プログラムが常に評価され、改善のための方策がとられているか?などが、審査されます。琉球大学では、2013年から学修成果基盤型教育に向けて、カリキュラムの改訂、評価法の実質化、実習のグローバル化などを進め、これら1つ1つの評価基準について自己点検を行い、報告書を作成するとともに、実地調査を受けました。

このたび本学医学部医学科が認証を受けたことにより、医学科の卒業生は、晴れて2023年以降も米国での研修が可能になります。そして、なにより、本学医学部医学科の教育が、国際基準に適合していることが認められたことになります。これから医学科を目指す高校生に対しても、誇れるものだと自負しております。

とはいえ、手放しでは喜ぶことはできません。多くの改善点が指摘されています。特に、評価(学生評価、プログラム評価)の点で、まだ緒に就いたばかりと厳しく評価されています。認定期間は2025年10月31日まで。認証評価は7年ごとに繰り返されます。良い点を維持するための不断の努力が必要です。指摘された点は改善が求められます。さらには、時代の流れの先を行く魅力的な取り組みを導入していかねばなりません。まだまだ、先は長い話。今後も、一層の充実・発展に努めます。(医学研究科 分子解剖学講座 高山教授 記)

 

 

(手前:左から)石田医学部長、筒井医学科長  
(奥:左から)高山教授、屋良准教授、山本教授、山城教授

2021年度琉球大学入学者選抜について(予告)【第1報】

2021年度琉球大学入学者選抜について(予告)【第1報】

医学研究科形成外科学講座 清水雄介教授 手術器具「コウプライト」を考案

本学医学研究科形成外科学講座 清水雄介教授が、手術の際に創部を広げる「筋鈎(きんこう)」と呼ばれる器具を改良し、「コウプライト」を考案しました。

コウプライトは、従来使用していた筋鈎の先端がLEDで光る仕組みになっており、深い術野の奥まで十分に照らすことができるように設計されています。電池での使用が可能なため、電源の確保が困難な場所でも利用することができ、災害時やインフラが整っていない地域でも活用できるようになっています。

現在は国内150病院以上に導入されており、海外にも輸出が始まっています。清水教授は、「コウプライトが、インフラの整っていない発展途上国に普及し、手術がし易くなることで、一人でも多くの患者さんの助けになることを希望している。」と述べています。

筋鈎の先端が光る仕組みになっている「コウプライト」

喜瀬助教(胸部心臓血管外科学講座)が第59回日本脈管学会総会 基礎研究部門で2年連続の最優秀演題賞を受賞しました

日本脈管学会は脈管(大動脈、末梢動脈、静脈、リンパ管など)に関する、臨床医学(心臓・血管外科、循環器内科、放射線科、形成外科、脳神経外科、臨床検査科など)や基礎医学(病理学、生理学など)での研究を行っている多くの研究者が、それぞれの領域を超えた横断的な議論を行う場として設立された伝統ある学術集会で、毎年採択演題総数は500題を超え、その研究テーマも多方面にわたり活発な討論が繰り広げられています。

総会ではJapanese College of Angiology Award (JCAA) が設けられ、独創的で将来性のある優秀な研究に対し、臨床系、基礎系からそれぞれ最優秀演題、優秀演題、計4演題が公開審査のもとに選考されています。

胸部心臓血管外科学講座(第二外科)の喜瀬勇也助教は昨年度(第58回総会)に引き続き、本年度(第59回総会:会期10月25日~27日)のJCAA基礎研究部門でも最優秀賞を受賞しました。2年連続の受賞であります。

喜瀬助教らは以前より「胸腹部大動脈瘤手術時の脊髄虚血の機序解明およびその予防法の確立」を研究テーマに掲げ、難易度の高い心臓血管外科手術において重篤な術後合併症である本問題に基礎的・実験的な手法を用いて挑んでおり、その研究成果を国内外の学会や学術雑誌で報告しております。

昨年度は胸腹部大動脈瘤手術時の動物モデルを作成し、脊髄灌流圧と脊髄血流量との相関を示し、脊髄循環の生理的環境を保持するための至適体血圧を数値化し報告しました。

本年度は脊髄非虚血および虚血環境下において、ノルアドレナリン投与による脊髄血流増加のメカニズムについて仮説を立て、動物モデルを用いた独創的な方法でそれを証明しました。これまでノルアドレナリン投与は末梢血管収縮による臓器血流の低下(脊髄虚血)を助長する可能性が危惧されていましたが、本研究ではノルアドレナリン投与下の体血管抵抗(全臓器血管抵抗総和)と脊髄血管抵抗(局所臓器血管抵抗)の上昇率をそれぞれ算出し、回帰式を用いた検討から脊髄血管抵抗の上昇率が低いことを証明し、脊髄血流分配が増加する機序を明らかにしました。過去の研究論文で同様の仮説検証を示した報告はなく、その点が大きく評価されました。

審査員には心臓血管外科領域だけでなく、他方面の領域の第一人者も含まれ、これらの研究者からも研究内容について高い評価をいただいた事は特筆すべきことであります。