生活習慣改善のきっかけになる 夜間頻尿記録アプリ「Uナイト」がリリースされました

皆様の御支援により、クラウドファンディングプロジェクト「生活習慣改善のきっかけになる、夜間頻尿を記録するアプリを開発したい」で開発を進めてきたアプリ”Uナイト”が、2024年4月にiOS(Apple)、Androidからリリースされました。

Uナイトでは毎日の就寝、起床時間、夜間トイレで起きた時間(睡眠データ)の簡単な情報を記録すると、まとめレポートが作成され、その結果に対するアドバイスを見ることができます。

 

プロジェクトページ(寄附募集は終了)
 https://readyfor.jp/projects/ryukyu-application/announcements/319238

陸上自衛隊第八師団長が病院長を表敬訪問

令和6年4月11日(木)、陸上自衛隊第八師団長による大屋祐輔病院長への表敬訪問がありました。

琉球大学病院ならびに医学部は、昨年4月に起きた陸上自衛隊のヘリコプター事故の際、陸上自衛隊の要請に応じ、事故原因の調査ならびに死因・身元特定のため、司法解剖や検案を実施しました。この件について、陸上自衛隊第八師団長から感謝の意をいただきました。

また、当院から陸上自衛隊へは、ヘリコプターによる離島からの急患搬送において、常々お世話になっていることに感謝の意を表しました。

懇談には救急医学講座の梅村武寛教授と法医学講座の二宮賢司教授も参加し、事故・災害時対応の振り返りや、今後、生じるであろう様々な場面での協力体制について意見交換が行われました。


懇談参加者で記念撮影

 

 

新任教授のご紹介~大学院医学研究科女性・生殖医学講座 関根正幸 教授~(令和5年度着任)

2023年10月より、琉球大学大学院医学研究科 女性・生殖医学講座教授に着任した関根正幸です。よろしくお願い致します。

私は千葉県で生まれ、その後父親の転勤で埼玉、福井などを転々とし、埼玉県立浦和高校を経て新潟大学に入学しました。大学時代は軟式野球部と陸上競技部に所属していました。1994年に大学卒業後、1998年に大学院に入学しました。そこで「遺伝性乳癌卵巣癌」の研究を始め、今でも私のライフワークになっています。ボストンHarvard Institute of Medicineへの留学でも、「遺伝性乳癌卵巣癌」の原因となるBRCA遺伝子の機能研究に携わりました。帰国後はHPVワクチンの臨床研究も開始し、国民に向けて多くのメッセージを発信し、「積極的勧奨の再開」に貢献できたと思います。

前任の青木陽一教授は、放射線科、病理学教室など多くの先生方との緊密な連携のもと、盤石な診療体制を築いてこられました。私もその体制を引き継ぎながら、遺伝性腫瘍とHPV研究の知識や経験を活かして、沖縄のゲノム医療と予防医療のさらなる充実を目指します。沖縄県内の婦人科がん罹患率と死亡率を減少させることを最大の目標として、沖縄県の女性の幸せを第一に考えた医療を行っていきたいと考えています。

琉球大学医学部と病院は、2025年1月に宜野湾市の新キャンパスに移転します。新キャンパスは華やかな西海岸に近く、新たな医療拠点として沖縄の発展に必ずや貢献するはずです。医学を志す若い力を存分に発揮できるフィールドだと思います。ぜひ琉球大学で一緒に学んでみませんか?

新任教授のご紹介~大学院医学研究科循環器・腎臓・神経内科学講座 楠瀬賢也 教授~(令和5年度着任)

皆さん、こんにちは。楠瀬賢也です。この度、琉球大学医学部第三内科の教授を務めることになりました。私たちの講座は、循環器、腎臓、神経内科学を専門とし、沖縄県の医療を支える重要な役割を担っています。私自身、この責任あるポジションを拝命し、大変光栄に思っています。

私のキャリアは、常に臨床と研究の両面における経験を積んできました。これまでの経験を活かし、ここ琉球大学で学ぶ皆さんに、実践的な知識と技術を提供したいと考えています。私たちの目標は、高度な医療技術を提供し、地域社会に貢献することです。これには、地域医療機関との連携強化も含まれます。私たちの活動は、病院内だけに留まらず、予防医学や健康増進活動を通じて、より広いコミュニティに貢献することを目指しています。

最先端の研究にも力を入れています。特に、人工知能(AI)を活用した医療技術の開発には、大きな可能性を感じています。この技術を通じて、より正確で効率的な診断や治療が可能になると信じています。私たちは、これらの新しい技術を積極的に取り入れ、医学部の学生や医師たちが最新の知識とスキルを身につけられるよう努めます。

また、多様なバックグラウンドを持つ医師たちが互いに学び合い、成長できる環境を大切にしています。一人ひとりが自分の能力を最大限に発揮し、チームとしても最高のパフォーマンスを目指します。私たちと一緒に、医療の新しい未来を切り拓く仲間を心から歓迎します。

最後に、琉球大学医学部を目指す皆さん、私たちのチームで学び、成長していくことを楽しみにしています。私たちの教室は、常に進化し続ける場所です。皆さんの参加を心からお待ちしております。

新任特命教授のご紹介~医学教育企画室 金城紀与史 特命教授~(令和5年度着任)

 

2023年5月1日付けで医学教育企画室の特命教授を拝命しました金城紀与史(きんじょうきよし)と申します。

私は生まれも育ちも東京ですが、不思議なご縁で沖縄に移住しました(祖父は沖縄出身です)。大学に来る前の15年間は沖縄県立中部病院で総合内科や研修医教育に携わってきました。中部病院の北米式臨床研修プログラムは、患者さんの話(問診)や診察を大切にしながら総合力の高い医師を養成してきました。これは医学が進歩して様々な検査や治療ができるようになった今でも変わりません。

2022年から文部科学省「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」全国11拠点のひとつとして琉球大学は佐賀大学と連携して「島医者・山医者・里医者育成プロジェクト」を実施しています。地域医療を目指す医学生を対象に、問診や診察を最大限活用し、医師以外の職種とうまく連携しながら、地域で暮らす人々を支える医師を育成するのが目標です。そのために、「地域医療コース」はカリキュラムを工夫し、少人数で能動的に学ぶ機会を増やし、高学年で離島や北部の病院・診療所で実習するようにします。

離島やへき地の医療というと、孤独、激務、最新の医学から取り残されるといった負のイメージがあるかもしれませんが、若い時期に地域医療を経験することはキャリアにとって大きな成長の糧となるばかりでなく、やりがいもあるチャンスです。離島での経験を生かして次のステップへ羽ばたいていった多くの先輩の声も届けながら地域医療マインドを育てていきたいと思っています。

プロジェクトホームページ
島医者・山医者・里医者育成プロジェクト https://postcorona.skr.u-ryukyu.ac.jp/

新任教授のご紹介~大学院医学研究科医化学講座 鈴木健夫 教授~(令和5年着任)

初めまして。2023年1月1日付で着任いたしました、鈴木健夫です。

医化学講座に着任して1年が経ちました。医化学とは、読んだ通り医学と化学が組み合わさった語で、化学で主に扱う対象である「分子」の視点から医学の解釈を試みる学問分野です。生体(高)分子に関する生化学や酵素学といった内容をイメージされるかもしれませんが、今どきは多くの生命現象の観測において分子の挙動を意識する必要があり、こういった分野を名前で分ける必要性はかなり低くなっている時代と言えます。

講義では入学して1年目の教育科目である「分子細胞生物学」を担当しています。医師になるために習得しなければならない専門性は年を追って増え続けており、そのスピードについていくためには、一度は基礎をしっかり固めて体系的な学びの道筋をつけることが重要です。生命を「分子」の視点で理解することで、一見複雑で理解が難しい現象も自然法則に則っている事実を把握できると思います。そして、こういった力のベースとなるのが化学です。多くの1年生の受験時選択科目に化学が入っており(ある年度では100%(全員!))、その点で皆さんは実は同じスタートラインに立っています。

大学では、優れた医師を輩出するための教育だけでなく、医学を発展させ将来の人類の英知に寄与する研究の場でもあるべく門戸を開いています。大学在学中に実践できる医学研究をぜひ経験し、キャリアの幅を広げる機会を提供できればと思っています。

これから入学を志す方と切磋琢磨できることを楽しみにしています。またその過程で少しでも研究活動に興味が湧いてきましたら、お気軽にぜひお立ち寄りください。

令和8年度入学者選抜に係る外部英語検定試験の導入について(予告)

令和8年度入学者選抜に係る外部英語検定試験の導入について(予告)

医学部新型コロナ検査終了に伴う検査実績報告

医学部新型コロナウイルスPCR検査 実施報告(最終版)_(PDF)

令和6年度新入生オリエンテーション等の日程について

令和6年度新入生オリエンテーション等の日程について(PDF)

 

4/3 医学部・学科別オリエンテーション

 

4/3  大学院オリエンテーション

 

4/4 新入生の保護者へのオリエンテーション

 

 

令和6年度保健学研究科(第2次募集)入学者選抜試験 合格者告示

令和6年度保健学研究科(第2次募集)入学者選抜試験 合格者告示

※1週間を目安に入試・入学案内ページのみの掲載に変更になります。

令和6年度医学研究科(第2次募集)入学者選抜試験 合格者告示

令和6年度医学研究科(第2次募集)入学者選抜試験 合格者告示

※1週間を目安に入試・入学案内ページのみの掲載に変更になります。

医学部新型コロナPCR検査チーム「新型コロナPCR検査」終了のお知らせ

2024年2月9日 更新

 

2024年2月2日

「新型コロナPCR検査」終了のお知らせ

医学研究科・医学部の教職員・学生の皆様へ:

この度2024年1月31日をもちまして、医学部新型コロナPCR検査は終了いたしました。

医学部新型コロナPCR検査チームは、沖縄県から認可された新型コロナウイルス感染症の核酸検査(qPCR)の実施検査所として、みなさまに無料PCR検査を提供して参りました。2023年5月8日から感染症法上の位置付けが変更になった後も、厚生労働省および沖縄県の指導のもと検査態勢確保の観点より当チームによる検査は継続しておりました。この度、検査所として使用していた医学部RI実験施設の閉鎖に伴い、本検査事業も終了となりました。
 医学部新型コロナPCR検査チームによる検査提供により、みなさまの毎日の健康を見守ることに少しでも貢献できていましたら幸いです。
 

検査終了に伴い、問い合わせ先メールや予約サイトも閉鎖します。
 

医学部新型コロナPCR検査チーム 
医学部長・医学研究科長 筒井正人
医学部長補佐 山城 哲
副医学部長:原嶋奈々江

本学のサークルOff the Clockが第9回全国医学生BLS選手権大会で優勝しました!

2023年11月26日(日)、第9回全国医学生BLS選手権大会の決勝大会が国立国際医療研究センター病院で開催され、琉球大学の救急・総合診療サークルOff the Clock(顧問:大内 元 特命准教授)が総合部門で優勝を果たしました。

BLS選手権大会は、全国の医学生の一次救命措置(BLS;Basic Life Support)の知識・技術向上を目的に開催されている大会です。コロナ禍でしばらく中止となっていましたが、今回4年ぶりに開催され、地方大会を勝ち抜いた上位18大学が決勝の舞台に集まりました。

本大会へ出たOff the Clockの有志メンバーは、7月頃から本格的に練習を始め、9月17日に長崎大学病院で行われた地方大会で総合2位に入賞し、決勝大会への出場権を得ました。その後も放課後や講義の合間を縫って練習を続け、見事、11月に行われた決勝大会の総合部門で優勝しました。

Off the Clockメンバーからのコメント

町田宗丈(3年)
琉大病院救急科の先生方、沖縄シミュレーションセンターのご指導、医学科同窓会、沖縄内科学術振興会、サークルメンバーと様々なご協力のお陰でサークルの先輩の悲願であったBLS選手権へ初出場でき、今回の結果を残すことができました。感謝に堪えません。

『選手権は本番ではない、常に実際に人が倒れてると考えた練習を』を心に、多忙を言い訳せず練習に励んでいたメンバーの努力が優勝に結びついたこと、とても嬉しく思っています。

涌坪遼(3年)
チームとして協力する事の「大切さ」と「尊さ」。 これらがBLS選手権を通して学んだ事です。とてもいい経験となったと思います。 これからも様々なことに精進していきたいと考えています。

比屋定結子(3年)
多くの方々のサポートのお陰で優勝を果たすことができました。本当にありがとうございます。今回の大会を通して、チームの強みや課題を再認識することができました。今回の結果に満足するだけではなく、医療者としてさらにレベルアップしていきたいです。

賀数りち(2年)
7月から練習を開始し、チームで目標としていた全国優勝を達成することができました。たくさんの方々が、日々サポートしてくださったからです。本当にありがとうございます。今後も一層練習を重ねて、レベルをあげいきたいと思います。応援よろしくお願いいたします!

下地唄羽(2年)
BLSの練習の中で、競技のシナリオを単に演じるだけでなく、一つ一つの行動が傷病者の未来につながると学べたことが私にとって一番の収穫でした。サポートして下さった皆様に感謝申し上げます。

齊藤寛人(3年)
私は競技者ではなく、応援及びサポーターとして参加させていただきました。競技者の皆さんの熱量に驚きつつも、皆で協力しあい、最高のチームとなって最高の結果を掴むことができてとても嬉しいです。

応援メンバー
 下地美寧、河野央

さらに学生からは、

「BLS選手権大会では、傷病者発見時の対応、胸骨圧迫をする際の深さ・リコイル・テンポ、AEDの貼り方、心電図解析時の対応が適切であるかなど、多くの評価項目がガイドラインに基づいて決められており、これらの合計点数がそのまま順位となります。出場メンバーらは、これらの評価項目がきちんとできるようにするだけでなく、さらに、『実際に目の前に人がいると思って蘇生をする』ということを徹底しました。救急の先生や救急隊の方から指導をしていただくなど、実際の現場に即した知識や技術を身につけられるように練習を重ねました。競技上点数化されない部分だとしても、実際の患者さんならこうする、という部分を常に意識して努力したことが、今回の結果につながったのかもしれません」

と、大会や救命への思いを話していただきました。


医学部長への優勝報告会にて

令和6年(2024年) 医学部長年頭挨拶

皆様、新年明けましておめでとうございます。年頭にあたり、一言、ご挨拶を申し上げます。昨年の医学部・医学研究科の動向を振り返り、今年の抱負を述べさせていただきます。

 

1.人事

昨年、医学部・医学研究科に4名の教授をお迎えしました。昨年1月には、医化学講座に東京大学工学系研究科から鈴木健夫教授をお迎えし、昨年5月には、医学教育企画室に「ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業」実施のための特命教授として、沖縄県立中部病院から金城紀与史先生をお迎えしました。そして、昨年7月には、循環器・腎臓・神経内科学講座に、徳島大学から楠瀬賢也教授を、昨年10月には、女性・生殖医学講座に、新潟大学から関根正幸教授をお迎えしました。

 

2.教育

昨年の本学の医師国家試験合格率は、新卒が97.6%(全国82校中20位)、新卒+既卒が95.6%(同17位)で、素晴らしい結果でした。また、昨年の看護師、保健師、助産師の国家試験の合格率はすべて100%で、こちらも大変素晴らしい結果でした。一方、昨年の臨床検査技師の国家試験の合格率は71.4%で、全国平均の合格率を少し下回りました。この点については検討の余地がありそうです。また、文科省による補助金等の公募事業においては、一昨年「ポストコロナ時代の医療人材育成拠点形成事業」に採択され、昨年「質の高い臨床教育・研究の確保事業」に採択されました。医学教育モデル・コア・カリキュラムは、令和4年度に改訂され、令和6年度の入学者から適用されます。臨床実習前OSCEとCBTの共用試験は、令和5年度から公的化されました。また、今年11月には、6年ぶり2回目の医学教育分野別評価を受審する予定です。

 

3.研究

昨年、医学部・医学研究科から沢山の研究成果が発表されました。保健学科国際地域保健学分野の小林潤教授は、Tropical Medicine and Health 2023 (IF 4.3)にEditorとして特集号を企画編集され、その特集号に多国間政策比較やケーススタディー等に関する4報の論文を発表されました。先進医療創成科学講座の山下暁朗教授らの研究グループは、リボソームにおいてタンパク質に翻訳中のmRNAを回収する方法を確立し、タンパク質発現量と密接に相関するmRNA定量法の開発に成功しました(Nucleic Acids Research 2023, IF 14.9)。脳神経外科学講座の石内勝吾教授らの研究グループは、脳悪性腫瘍に対する放射線治療において、高気圧酸素療法とNMDA受容体拮抗薬メマンチン投与を併用すると、放射線治療により引き起こされる正常脳組織の放射線傷害と認知機能低下を予防できることを世界に先駆けて報告されました(Neuro-Oncology 2023, IF 15.9)。医化学講座の鈴木健夫教授らの研究グループは、RNAに糖を付加する糖転移酵素を発見し、その酵素が成長障害に重要な役割を果たしていることを世界で初めて明らかにしました(Cell 2023, IF 64.5)。

 

4.学生の取組

医療系サークルOff the Clockに所属する医学科の2年次と3年次の6名は、第9回全国医学生BLS選手権大会に参加し総合優勝しました。BLSとはBasic Life Support(一次救命処置=心肺蘇生法)のことで、全国医学生BLS選手権大会は心肺蘇生法の知識と技術を競う大会です。琉球大学は参加した35大学(41チーム)の中で第1位になりました。

 

5.移転

皆様のご支援・ご協力のおかげで、医学部と病院の宜野湾市西普天間住宅地区跡地への移転事業は順調に進捗しています。医学部関連の建物は、現在約4割が完成しており、令和6年10月末に竣工する予定で、医学部の開学日は令和7年4月1日の予定です。また、病院関連の建物は、現在約9割が完成しており、令和6年6月末に竣工する予定で、病院の開院日は令和7年1月6日の予定です。

最後に、抱負を述べさせていただきます。私の医学部長・医学研究科長の任期は、ちょうど医学部の移転が完了する令和7年3月末までです。移転事業が成功するように、そして医学部・医学研究科がさらに発展するように、今年も精一杯尽力して参ります。今年が、皆様にとって、健康で幸せな一年になることを衷心より祈念申し上げ、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。

 

令和6(2024)年1月4日

琉球大学医学部長
琉球大学大学院医学研究科長
筒井 正人

医学研究科「論文博士の外国語試験」について

1.公示資料【PDF】
2.事務手続き【PDF】
※入学試験の手続きではありませんので、ご注意ください。

分子・細胞生理学講座の高松岳矢先生が日本生物学的精神医学会の若手研究者奨励賞を受賞しました

11月6日に開催された第45回日本生物学的精神医学会年会で、本学医学研究科分子・細胞生理学講座の高松岳矢先生が同学会の若手研究者育成プログラム第12回奨励賞に選ばれ、同日、授与式が行われました。
 高松先生は「ミトコンドリア代謝制御遺伝子に注目した双極性障害の病態研究」というテーマで講演しました。

高松先生は双極性障害(躁うつ病)の患者さんの人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作成し、実験室で神経細胞に分化させ、疾患の原因やメカニズムを探索する研究を進めています。最近の研究において、iPS細胞由来の神経系細胞のRNAを解析し、ミトコンドリアに関係する特定の遺伝子の発現に異常がある可能性が浮かび上がり、この成果により受賞されました。ただし、これが疾患の原因であるかどうかは、引き続きさまざまな検証が必要です。また、この異常が疾患にどの程度影響しているかや、メカニズムについてはまだ不明で、今後更なる研究が求められます。

精神疾患の多くは未だに原因が解明されておらず、イノベーションを促進するためには基礎研究と臨床研究の連携が不可欠です。しかし、近年では生物学的な研究をする精神科医の数が減少し、研究の担い手が不足しています。
 日本生物学的精神医学会は、精神疾患の生物学的病態の解明を目指しており、高松先生の今後の研究に期待し、若手研究者の育成を目的として奨励賞を授与しました。
 高松先生は、本医学部医学科の卒業生で、本学部の精神科神経科での専門研修プログラムで臨床経験を積んだ後、分子・細胞生理学講座にて大学院博士課程を修了し、現在は同講座で助教を務めています。

この研究は、大学院生の時に松下正之教授の指導をうけてスタートし、琉球大学病院精神科神経科、沖縄県内の精神科医療機関、そして研究参加に同意されて血液をご提供頂いた多くの方々の協力を得て実施されました。人体解剖学講座、東京慈恵会医科大学再生医学研究部、国立成育医療研究センターゲノム医療研究部、沖縄科学技術大学院大学細胞分子シナプス機能ユニットとの共同研究として進められています。


授賞式での高松先生(左から3番目)


講演の様子

2024年度保健学研究科特別プログラム(OKINAWA GLOBAL HEALTH SCIENCE PROGRAM 2024)募集要項及び出願書類様式

OKINAWA GLOBAL HEALTH SCIENCE PROGRAM (2024)

【掲載物一覧】

(1)OKINAWA GLOBAL HEALTH SCIENCE PROGRAM (2024)(募集要項)

(2)Welcome to the Graduate School of Health Sciences(2024)

(3)Check List

(4)FormⅠ-ⅰ FormⅠ-ⅱ FormⅠ-ⅲ

(5)FormⅡ

(6)FormⅢ

(7)Download[ZIP of MS-Word files](Zipファイル)


【掲載場所】
「OKINAWA GLOBAL HEALTH SCIENCE」
URL:https://www.med.u-ryukyu.ac.jp/okinawa-global-health-science


*Contact Us(詳細についての問い合わせ先)*
TEL:098-895-1053
Mail:igznyusen@acs.u-ryukyu.ac.jp

市民公開講座『琉球大学医学部の研究の紹介』を開催しました

10月8日(日)、沖縄県立博物館・美術館において、市民公開講座『琉球大学医学部の研究の紹介』を開催しました。
琉球大学医学部では、沖縄県の医療の向上を目指して、先端的な医学研究を行っています。本市民公開講座は、日本薬理学会の協賛により開催され、沖縄県民の皆さんに琉球大学医学部がどんな研究を行っているのかを広く知っていただくことと、薬の知識を広めることを目的としています。

講座の冒頭に、筒井正人医学部長・医学研究科長(日本薬理学会所属)が開会の挨拶と琉球大学医学部の移転事業の紹介を行い、その後、各講演がおこなわれました。

 

山本和子 教授(琉球大学病院第一内科)
『ウイルス感染症の流行における沖縄県の特異性』

益崎裕章 教授(同病院第二内科)
『沖縄県に多く見られる糖尿病・肥満症・がんの創薬開発における世界最先端の研究成果』

石田明夫 准教授(同病院第三内科)
『パプアニューギニアにおける臨床研究から得られた全く新しい血管老化と高血圧のメカニズム』

高槻光寿 教授(同病院第一外科)
『沖縄県において近年確立された肝臓移植』

喜瀬勇也 講師(同病院第二外科)
『大動脈瘤の手術において脊髄虚血の合併症を完全に予防しえた画期的成果』

 

特別講演では、熊本大学薬学部の首藤剛准教授が長寿薬のスクリーニングに有用な技術の開発を紹介されました。
最後に、岸本英博副医学部長が、琉球大学医学部を代表して謝辞と閉会の挨拶を述べました。
沖縄県の全域から58名の参加者があり、活発な質疑応答が行われ、本市民公開講座は成功裏に終了しました。

 

ポスター

 

公開講座の様子

   
   
   

 

登壇者で記念撮影

比嘉章太郎先生が日本薬理学会西南部会のYIAを受賞しました

10月7日(土)、琉球大学医学部において、第76回日本薬理学会西南部会が開催されました。西南部会は、九州・沖縄地方の全ての県、中国地方の山口県、島根県、鳥取県、および四国地方の愛媛県と高知県において、薬理学を研究する医師・薬剤師・歯科医師・獣医師・看護師・大学教官・企業研究者等の学識経験者によって構成される部会です。西南部会は今年で76年目を迎える歴史と伝統のある学会で、今回は本医学研究科薬理学講座の筒井正人教授が会長を務めました。

午前中に若手研究者奨励賞(YIA)のオーラルセッションが開催され、胸部心臓血管外科学講座の比嘉章太郎先生は、『NO合成酵素完全欠損下におけるテストステロンの有害な心血管作用』について発表しました。その結果、12名のYIA応募者の中で第2位になり、YIAの賞状と賞金が授与されました。YIA授賞式は、波の上ビーチのバーベキュー会場での懇親会の時に行われました。

主に男性の精巣から分泌されるテストステロンは、血管拡張作用や抗動脈硬化作用などの有益な心血管作用を有しています。比嘉先生は、NO合成酵素完全欠損下では、テストステロンは、全く逆の有害な心血管作用を示すことを世界で初めて明らかにし、その成果を発表しました。大規模臨床試験において、低テストステロン血症を示す高齢男性の冠動脈疾患患者に対するテストステロン補充療法の作用が検討されましたが、予想に反して予後が有意に悪化し、その試験は中止になりました。しかし、そのメカニズムは不明です。高齢男性ではNOレベルが低下していることから、比嘉先生の知見は、テストステロン補充療法が予後を悪化させたメカニズムの一端を世界に先駆けて明らかにできたと思われます。

比嘉章太郎先生は、本医学科の卒業生で(2009年卒)、琉球大学病院の専門指導医をしています。この研究は、胸部心臓血管外科講座の古川浩二郎教授、薬理学講座の筒井正人教授、山下弘高准教授との共同研究です。


発表する比嘉章太郎先生


授賞式会場での比嘉章太郎先生(右)と筒井先生(左)

令和6年度琉球大学医学部医学科第2年次特別編入学(学士編入)第1次選抜における 出題ミスについて

令和5年9月27日(水)に実施した医学部医学科第2年次特別編入学(学士編入)第1次選抜における生命科学総合Ⅰ及び生命科学総合Ⅱの試験問題に出題ミスがあることが判明しました。
 受験者をはじめ関係者の皆様に多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
 今回の事態への対応について、次のとおりお知らせいたします。
 今後、このようなことが起こらないよう、チェック体制の強化及び再発防止に取り組んでまいります。

1 試験実施日 令和5年9月27日(水)

2 合格発表日 (第1次選考結果) 令和5年10月27日(金)

3 試験科目  生命科学総合Ⅰ、生命科学総合Ⅱ

4 受験者数  138名

5 内 容
 (1)生命科学総合Ⅰ【大問1 問(8)】
  問題文(英文)を読んで図中にあてはまる構造物を選択肢から選ぶ設問において、問題36行目に下線部分の脱字(英単語2語及び終止符)があった。
  誤 the posterior interventricular branch, which lies in the posterior
  正 the posterior interventricular branch, which lies in the posterior interventricular sulcus.
  (別紙(1)参照)

(2)生命科学総合II【大問1 問題1】
問題文の空白に当てはまる選択肢を選ぶ設問において、問題文4行目【(d)核】の(d)に対し、選択肢【(27)室傍核】を正解としているが、これを選択すると解答が【室傍核核】となる。このような単語は存在しないため、正答が存在しない設問となった。  
  (別紙(2)参照)

6 対 応
 (1)については、同問題文中に正答を導ける箇所があることから、当該脱字による受験者の解答への影響がないと判断した。
 (2)については、正答が存在しないため、受験者全員に対して正答として扱うこととした。

琉球大学長
西田 睦