新任教授のご紹介~大学院医学研究科 システム生理学講座 宮里 実 教授~

初めまして、平成31年4月1日付けでシステム生理学講座の教授を拝命しました宮里実と申します。平成最後、また令和元年、まさしく記念すべき年の就任を大変光栄に思っております。

私は、平成5年に本学医学科を卒業し、ただちに本学(母校)泌尿器科に入局しました。その後、25年にわたり泌尿器科医として臨床の外科医として診療にあたってまいりました。そういう私が、なぜ母校の基礎講座の教授になったか、まずそこから説明したいと思います。研修医時代は東京の小児病院(清瀬小児病院)で過ごしたのですが、そこで生涯の恩師と出会うことになりました。「10年先を見据えて過ごしなさい。」と叩き込まれました。また、こどもの先天性疾患を通して、病態(生理)に基づいて、10年、20年先を見据えて診療にあたる大切さを学びました。その後は、一泌尿器科医として泌尿器科の診療を一心不乱にこなしてきました。その中で、研修医時代に叩き込こまれたことを「座右の銘」として、知らず知らずのうちに「生理学」を追求してきたのだと思います。そのなかで、特に排尿生理に興味を持ちました。2006年から2年間排尿生理、薬理で有名な米国ピッツバーグ大学で遺伝子治療、排尿の新たな創薬開発の研究に携わりました。2009年から2年間東北大学でも臨床研究の幅を広げました。排尿生理を通して神経生理学を学び、25年という月日が過ぎたとき、臨床、研究はパフォーマンスの違いこそあれ、根幹にあるものは不変であるという感覚をもちました。

現役最後は母校、後輩のために過ごしたいという思いもいつしか芽生えておりました。そして、50歳を迎え、男子の本懐を遂げるべく、基礎講座への転身を決意致しました。とはいえ、臨床医であることに変わりはなく、二刀流で新たな生理学の境地を切り開きたいとも思っています。ノーベル医学生理学賞といわれるように、生理学は医学の根幹をなすものです。本学医学部を目指す高校生諸君がこのホームページを見て、何かを感じて頂けたら望外の喜びです。母校の後輩、また縁あって琉球大学へ集った学生、研究者の皆様とともに、医学の進歩に貢献したいと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。