新任教授のご紹介~医学部保健学科 成人・がん看護学分野 照屋 典子教授~

令和元年6月1日付で、保健学科 成人・老年看護学講座の教授を拝命しました照屋典子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

私は、琉球大学医学部保健学科卒業後、琉球大学大学院保健学研究科修士課程へ進学し、大学院修了後は、県立病院、総合病院等で10年間看護師、助産師として勤務いたしました。

平成16年、前任の砂川洋子教授より、母校で看護基礎教育に携わってみないかとのお声かけがご縁で、保健学科 成人・老年看護学講座の助手に着任しました。その後、砂川教授のもと、助教として学部教育や大学院におけるがん看護専門看護師養成、九州がんプロ養成プランによる臨床ナースの継続教育、大学間連携事業における共同教育システムの構築、一般市民への緩和ケアに関する普及啓発等、さまざまな教育、研究、地域貢献活動に関わらせていただき、貴重な経験や学びを得ました。

今の医療現場を取り巻く環境は、急速な少子超高齢化、医療技術の進歩、情報化社会の到来など、私が就職した30年前とは大きく異なり、医療の受け手側である国民のニーズも多様化・複雑化しています。

看護は、あらゆる年代の人々やその家族、地域社会を対象とし、健康の増進、疾病の予防、健康の回復、苦痛の緩和を行い、その人の生涯を通して、最期までその人らしい生が全うできるように援助することを目的としています。どのような健康状態であっても、その人らしい“暮らし”を支えるために、看護職は「医療」と「生活」の視点からマネジメントし、保健・医療・福祉をつなぐ役割も担っています。これまで主流であった“病院で働くナース”から“地域で働くナース”へのパラダイムシフトによって、さまざまな現場で活躍できる看護職の育成が必須であると考えます。とくに、国民の2人に1人が罹患するがんにおいては、治療の複雑化・長期化に伴い、より専門性の高い看護の提供が求められており、島嶼を抱える沖縄県では、がん看護専門看護師のさらなる育成が急務とされています。この先10年、20年後を見据え、 “将来の保健医療分野のリーダーとなる人材育成”及び “質の高いがん看護に寄与し得る専門看護師育成”に取り組んでまいりたいと思います。

また、保健学科では “将来、国際医療の現場で活躍できる人材育成”を掲げております。フィリピン大学やチェンマイ大学等との国際交流協定を締結し、毎年、チェンマイ大学との学生間国際交流も活発に行っております。今後も国際交流や研究活動を通して、グローバルな視点をもつリーダー育成に力を注いでいきたいと思います。微力ではございますが、沖縄の看護、保健医療の質向上及び未来を担う人材育成に貢献できるよう努力する所存です。どうぞよろしくお願い申し上げます。