新任教授のご紹介~琉球大学医学部附属病院周産母子センター 銘苅 桂子教授~


 はじめまして。
琉球大学医学部附属病院周産母子センター教授を拝命いたしました、銘苅桂子と申します。

沖縄生まれ、沖縄育ち。中学校は米軍基地の解放地にあり、雨の日は、まだ整備されていない泥だらけの道を通いました。平成11年に琉球大学医学部医学科を卒業し、産婦人科医の門を叩きました。その頃は、子供を持つ女性医師が第一線で働くことはかなり困難でしたし、いわゆる、「24時間働ける」医師でなければ、一人前の研修すら受けられなかった時代です。そのような中で乳児を抱えて研修医となったのですから、無謀としか言いようがありません。それがここまでやってこれたのは、絶対的な家族の支えと、指導医のおかげです。

私の担当する生殖医療の現場では、不妊に悩むカップルが、出口の見えないトンネルを抜けようと必死に頑張っています。子宮筋腫や子宮内膜症は、辛い月経痛や貧血の原因であり、腹腔鏡手術という小さな傷で摘出することで、劇的に楽になることがあります。一方で、女性の社会進出は、女性の生殖に関わる分野に歪みをきたし、症状は複雑化しています。正解を見極めるには、一人一人の希望に耳を傾け、最新のエビデンスと最良の技術を駆使したテイラーメイド医療が必要です。そして、そういった女性に寄り添い、治療を継続していくために、女性医師は大きな役割を果たしているのです。

女性活躍の推進は医療の現場でも求められています。しかしながら、大学病院という過酷な現場で、育児をしながら女性医師が仕事を継続するのは本当に大変なことです。家族を想うように患者さんを想い、治療に奮闘する彼女たちが、「過酷」を理由に立ち去ることがないよう、医療現場の働き方改革と、教育の両輪で、共に成長していきたいと思います。同時に、生殖医療・産婦人科内視鏡下手術のさらなるレベル向上と良質で満足度の高い医療を提供、そして、沖縄県内における女性研究者・医師のキャリア教育にも尽力して参ります。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。