2020 年頭の挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

昨年は保健学部・医学部保健学科設立50周年を迎え、今年は医学科では第40期の入学生を迎えることになります。 では、昨年の成果と今年の抱負を述べて、皆様に新年の挨拶を申し上げたいと思います。

1.教育面について

医学科は、臨床実習後OSCEは、令和元年度にトライアル実施され、本年令和2年度から正式実施となります。過密なスケジュールの中恐縮ですが、ご協力を賜りますようお願いいたします。

保健学科はクオーター制が定着し、それを利用して保健学科学生を公的資金で2週間の短期留学に送り出しています。また、遠隔授業・招聘授業による単位互換の開始を行なっています。 大学院および人材育成については、文部科学省補助金事業として、多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン、「実践力と研究力を備えた法医学者育成事業」が進められています。

2.国際交流

保健学研究科では国際化を推進しています。フィリピン大学、チェンマイ大学との学生交流や国費外国人留学生(フィリピン、ラオス、インドネシア)の受入を行なっています。

医学研究科・医学科としては、シンガポールの南洋理工大学との臨床実習での交流が始まりました。現在、医科学研究では、米国コロラド大学医学部、ハーバード大学医学部、ベルギーサンリュック病院、シンガポール南洋理工大学、台湾チメイ病院に3年次学生を派遣中です。また、東京理科大学、台北医学大学と共催で昨年3月国際バイオメディカル・インタフェース・シンポジウム台湾新竹市の国立交通大学で行い、今年も3月に台北医学大学で開催いたします。

3.研究について

基盤研究Aを始めとする多数の科学研究費補助金を獲得し、また、概算要求事業として、「亜熱帯島嶼の時空間ゲノミクス」、「沖縄県地域医療拠点形成に向けた先端医学研究センターの設置」が走っています。さらに、「沖縄バイオインフォメーションバンク試料解析保管システム」が補正予算で整備されます。また、沖縄県の先端医療技術実用化促進事業やAMEDの「難治性疾患実用化研究事業」、「臨床研究・治験推進研究事業」、「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」、武田科学振興財団特定研究助成を活用しつつ整備を推進しています。

また、クロスアポイントメントとして、2名の特命教授を迎えました。さらに、病院の周産母子センターに銘苅桂子教授を採用できたことは大きな出来事でした。来年度もクロスアポイントメントで、古田耕先生を採用予定です。

4.医学部及び同附属病院の移転について

令和2年度概算要求として内閣府から、沖縄健康医療拠点整備経費約88.9億円が措置されました。令和元年12月に、移転に必要な用地面積の1/3にあたる、約5.5haを取得し、令和2年度以降も引き続き取得を進め、合計で約16haの敷地を取得予定です。附属病院棟・研究棟・講義実習棟の主要3棟の実施設計が進んでいます。 この医学部及び同附属病院の移転について、国が目指す国際性と離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点に相応しいキャンパス整備を目指し、全学を挙げて取り組むため、皆さまのご協力をお願いいたします。

今年は琉球大学でもついに人事給与マネジメント改革が始まります。  事務部の協力のもと、進めて参りたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

昨年も述べましたが、教育、研究、診療環境の整備は、大事であり、ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは重要な責務であると考えています。

最後ではございますが、皆様のご多幸と健康を祈念し、また、医学部及び同附属病院の発展を祈願し、年頭の挨拶といたします。

2020(令和2)年1月6日

琉球大学医学部長 石田 肇