医学部長 就任の挨拶

4 月1 日付けで医学部長・医学研究科長を拝命いたしました、筒井正人でございます。就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。

1. 医学部・医学研究科・病院の移転計画の推進

現在、医学部・医学研究科と病院は、4年後の2025(令和7)年の宜野湾市西普天間地区への移転に向けて、その準備が進められています。病院は建設工事が始まっており、医学部・医学研究科においては施設のヒアリングが進行中で、設計と施工の受注者が8月に決定する予定です。また、これまで病院と一体でCOVID-19 に対応してきた経験をふまえ、医学部・医学研究科においても、密を避けられる広い講義室や学生・職員食堂を検討していただきたいと思っております。皆様の様々な要望を丁寧にくみ上げて、皆様が納得できる施設ができるように尽力いたします。

 

2. 連携強化による保健学科と医学研究科の発展

保健学科と医学研究科の連携の強化は、両者の教育・研究の活性化に資すると思います。今年度から保健学研究科・保健学科の講義を医学研究科と共同で実施することにしました。医学研究科・医学科の講義を保健学科と共同で実施することも計画しています。各種委員会活動については保健学科で負担が大きい場合は医学研究科が担当します。また、西普天間では保健学科の実験室の確保のため機器センターの有効利用を検討いたします。西普天間では保健学科と医学研究科が同じ研究棟で仕事をすることになり物理的にも連携が深まります。その布石として着実に連携を強化していきたいと思います。

 

3. 医学研究科・保健学科の教育の充実

教育面においては、COVID-19 の収束が見込めない中、遠隔による講義が学生の修学や心身に与える影響が危惧されます。その対策として、4月から対面あるいは対面とWEBのハイブリッドの講義を行います。さらに、指導教員、各種委員会、医学教育企画室の活動を中心として一層の学生支援をいたします。今年の国家試験の成績は、保健学科、医学科ともに良かったです。保健学科は、看護師、保健師、助産師の合格率がいずれも100%でした。医学科も、新卒と既卒をあわせて133名が受験し不合格者は6名だけで(合格率95.5%)、全国80大学中19位で、過去10年間で最も良い成績でした。これらの結果は本学部の教育が優れていることを示唆していると思います。

 

4. 医学研究科・保健学科の研究の活性化

研究においては外部資金の獲得が必要不可欠です。そのために、各省庁、沖縄県、大学本部、企業等に頻繁に出向いて交渉し情報を入手したいと思います。臨床系の社会人大学院生は、仕事が忙しく、研究費も十分ではないため、研究がなかなか進まない状況にあります。その支援のため、4月から実験実習機器センターにおいてダイレクトシークエンスやゲノム解析などの研究支援を開始します。今後、研究支援体制をさらに拡充・強化していきます。2016(平成28)年に設立された先端医学研究センターは、令和4年度から始まる第4期中期目標・中期計画期間も引き続き発展するように、そして、全学的・恒久的な組織になるように取り組んでまいります。

 

5. 病院と一体となった医学部・医学研究科の発展

病院は1年前に医学部から独立した組織になりました。それを受けて医学部長の役割は変化し、病院と協調して医学部の管理運営を担うことになりました。そのため、 医学科長の皮膚科学講座 高橋健造教授および副医学部長の消化器・腫瘍外科学講座 高槻光寿教授には、臨床系講座の教授として病院との連携にも力を発揮していただきます。病院との協調性を大切にして医学部・医学研究科・病院が一体となって発展するように尽力して参ります。

 

最後に、『将来に希望を持てる、魅力ある医学部・医学研究科・病院』になるよう誠心誠意努力することをお約束し、私のご挨拶とさせていただきます。

2021年4月1日

琉球大学医学部長・大学院医学研究科長
筒井 正人