新任教授のご紹介~大学院医学研究科 救急医学講座 梅村 武寛教授~


 皆さま、はじめまして。2021年4月1日より琉球大学救急医学講座教授を務めています梅村武寛です。

皆さまは、救急医学と聞いてどのような事を考えますか。以下に私の経歴を記し、自分の考えを述べてみようと思います。

私は、1995年に熊本大学医学部を卒業後、同大学の整形外科教室で医師の一歩を踏み出しました。その研修中に整形外科の最若手医師であることから四肢・脊椎外傷の初期対応から手術までを行うことはもちろんですが、多発外傷の診療時では各診療科(脳外科、外科等)の手術助手を務めたり、産科の緊急帝王切開の助手を務めたり、はたまた急性冠症候群(心筋梗塞)で循環器内科の助手をしたり、様々な経験をしてきました。当時、確固たる自分の将来を描いていたわけではなく、ただただ目の前の患者さんに全力で対峙するのみでした。いったい自分がどのような医師になるべきなのかを自問した際に、外傷に限らず重篤な患者さんを目の前で失わない様にしたい、全身管理と生命維持を確実に行えるようになりたい、そう考えて2002年から福岡大学病院救命救急センターで救急医としての研修を始めました。救急医として重症多発外傷の整形外科的手術を行い、その全身管理を学びながら救急・集中治療領域の研鑽を積みました。病院前救護教育(救急救命士養成校の講師)や、災害医療(東日本大震災など)に関わりだしたのもこの時です。2014年には沖縄に赴任し、前任地の救命救急センターで沖縄県内と県外式の各々の特徴を取り入れた救急医療体制を構築しました。昨今の新型コロナ感染症対策では、県庁内で行政や警察・消防・海上保安庁・自衛隊と協働してきました。

以上の様に救急医学は、医学の各領域だけにとどまらず、医療外の領域とも協働し、多種多様な考え方、行動が求められることが特徴だと考えます。また社会との関わりが多く、医療だけに限らない様々な物事を俯瞰的にとらえることが求められる分野でもあります。

皆さまが当大学で学び、ここ沖縄県全体を俯瞰的に眺めることができる救急医を育成することをこれからの目標とし頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。