医学科学生が第54回日本胸部外科学会九州地方会 学生アワード部門最優秀賞を受賞しました

胸部心臓血管外科学講座の葛原怜さん(医学部医学科4年次)が第54回日本胸部外科学会九州地方会 学生アワード部門で最優秀賞を受賞しました。

2021年7月29日、30日に第54回日本胸部外科学会九州地方会が開催されました(会長:杉尾健二教授、大分大学医学部呼吸器・乳腺外科学講座)。日本胸部外科学会は、心臓・大血管、呼吸器・縦隔、食道と異なる3分野の外科医が一同に集い、横断的に議論を深めることを目的として設立された歴史ある学会です。今回の九州地方会では100題以上の臨床及び基礎研究の成果が報告されました。本学会では外科医を志す学生を対象に、早い段階から胸部外科の魅力を感じ、興味を持ってくれることを願い、医学部医学科学生を対象とした学生アワードが企画されております。

葛原さんは、3ヶ月に渡り心臓手術症例を観察し、人工心肺による生体への影響について考察を深め、古川浩二郎教授、喜瀬勇也助教ら指導の下、過去の研究成果を発展させる形で「体外循環時間と溶血量の相関、腎機能への影響について」と題した発表を行いました。本発表では体外循環時間と溶血量(遊離ヘモグロビン量)が強い相関を示す事、遊離ヘモグロビンによる腎障害を回避するためのハプトグロブリン投与タイミングが人工心肺開始260分である事などを示しました。実臨床での課題を解決に導く有用な研究報告と評価されました。プレゼンテーション内容のみならず、質疑応答についても心臓外科医と同等の知識を有した発表が印象的で、他大学の上級学年生徒の中、厳密な審査によって最優秀賞に選出されたことは特筆すべき事であります。
 
 
【葛原さんの受賞コメント】
 以前から興味があった心臓血管外科で研究ができ、非常に有意義な3ヶ月でした。このような場で評価していただけたのは、ひとえに第二外科の先生方とMEさん達のおかげです。この先の臨床実習や医師となってからも、探究心を忘れず研究に取り組んでいきたいと思います。
 

写真:左から(古川教授、葛原さん、當山先生、喜瀬先生、永野先生)