新任教授のご紹介~大学院医学研究科医化学講座 鈴木健夫 教授~(令和5年着任)

初めまして。2023年1月1日付で着任いたしました、鈴木健夫です。

医化学講座に着任して1年が経ちました。医化学とは、読んだ通り医学と化学が組み合わさった語で、化学で主に扱う対象である「分子」の視点から医学の解釈を試みる学問分野です。生体(高)分子に関する生化学や酵素学といった内容をイメージされるかもしれませんが、今どきは多くの生命現象の観測において分子の挙動を意識する必要があり、こういった分野を名前で分ける必要性はかなり低くなっている時代と言えます。

講義では入学して1年目の教育科目である「分子細胞生物学」を担当しています。医師になるために習得しなければならない専門性は年を追って増え続けており、そのスピードについていくためには、一度は基礎をしっかり固めて体系的な学びの道筋をつけることが重要です。生命を「分子」の視点で理解することで、一見複雑で理解が難しい現象も自然法則に則っている事実を把握できると思います。そして、こういった力のベースとなるのが化学です。多くの1年生の受験時選択科目に化学が入っており(ある年度では100%(全員!))、その点で皆さんは実は同じスタートラインに立っています。

大学では、優れた医師を輩出するための教育だけでなく、医学を発展させ将来の人類の英知に寄与する研究の場でもあるべく門戸を開いています。大学在学中に実践できる医学研究をぜひ経験し、キャリアの幅を広げる機会を提供できればと思っています。

これから入学を志す方と切磋琢磨できることを楽しみにしています。またその過程で少しでも研究活動に興味が湧いてきましたら、お気軽にぜひお立ち寄りください。