沖縄に多いレプトスピラ感染症に関する新しい免疫回避機構を発見

琉球大学医学研究科細菌学講座の鈴木敏彦教授とトーマ・クラウディア助教らは、分子解剖学講座(高山千利教授ら)との共同研究により、病原細菌レプトスピラがマウス免疫細胞内で殺菌されずに生き残るという新しい知見を見出しました。

レプトスピラは国内でも沖縄に特に多く発症例がみられる細菌で、野ネズミなどの野生のげっ歯類の体内で持続感染しています。さらに感染動物の尿とともに菌が排泄されて水系を汚染し、川遊びのレジャーなどでヒトが感染する例が知られています。しかし、その持続感染機構はよくわかっていませんでした。このような背景から、レプトスピラ研究は本学の特色ある医学研究のひとつとして推進されているところです。

本研究グループは、マウスの免疫細胞のひとつマクロファージに着目し、レプトスピラが感染後どのような運命をたどるのか調べました。通常、マクロファージに食べられた細菌は消化・分解されますが、レプトスピラは分解されずに細胞内で生き残り、さらに細胞の外に再度飛び出してくるという興味ある結果が得られました。これの詳細なメカニズムはこれからの研究で明らかにする予定ですが、このマクロファージ内での挙動がマウスの体内で持続感染する理由のひとつとなる可能性があり、今後の研究が期待されます。

本研究成果は、2011年8月5日に英国専門誌「Cellular Microbiology」にオンライン版で公開されました。

琉球大学大学院医学研究科 細菌学講座
鈴木敏彦
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