新任教授のご紹介~大学院医学研究科 感染症・呼吸器・消化器内科学講座 山本和子教授~

はじめまして、2022年10月1日付けで大学院医学研究科 感染症・呼吸器・消化器内科学講座(第一内科)教授を拝命しました、山本和子です。ヒトの重要な臓器である肺・消化管・肝臓、そして新型コロナウイルス感染症など全身感染症を専門とする内科学講座です。医学研究科では女性教授第一号となりますが、それに気負うことなく、琉球大学と沖縄県の医療・教育・研究の発展のため、精一杯尽力する所存です。

私は北九州市生まれ、博多・アメリカ(シカゴ)・佐賀育ちで、1999年に佐賀医科大学医学部を卒業し、国立国際医療研究センター病院の内科で初期研修を行い、医師としての一歩を踏み出しました。同院のエイズ・治療研究開発センターで感染症学の面白さに魅了されました。後期研修は長崎医療センターの消化器内科、肝臓内科で行い、内視鏡治療や超音波・血管内治療に興味をもちました。いずれかを専門とするか迷っていたら、同院の呼吸器内科の先生に人手が足りず短期間手伝ってくれないか、と声をかけられ、修練医として勤めたところ、疾患の幅が広く、感染症を診る機会の多い呼吸器内科を専攻とすることに決めました。私の進路は人と出会うタイミングによって導かれてきたように思います。長崎大学大学院で微生物と薬剤耐性の研究を行い2007年に学位を取得した後、長崎大学第二内科に入局しました。チームリーダーとして診療していた際に、肺感染症の重症化は微生物の病原性や抗菌薬の効果よりも、宿主免疫が重要であることに気が付き、免疫と感染症について深く学ぶために2009年より4年間アメリカ(ボストン)で研究留学を行いました。帰国後は長崎医療センターで感染症内科を立ち上げ、長崎大学第二内科で感染症班初の女性チーフを務めました。2020年よりコロナ診療に奮闘し、複数の介入研究を手掛けていた時に、このご縁をいただきました。

赴任してまだ日は浅いですが、沖縄県に1つの医学部で、3つの内科のうち1つを主宰する重責を感じています。沖縄はそのユニークな地理、歴史、生活習慣から、他にない学問を育む可能性を秘めています。またアジアのハブとなりつつあることから、日本に先駆けて新しい感染症が流入し、ダイナミックに医療へ影響を及ぼします。若人が夢を持って集い、リサーチマインド、国際感覚、ダイバーシティ感覚を身につけ、伸び伸びと育む教室を目指します。いつでも気軽に声をかけてください。どうぞよろしくお願い申し上げます。