文部科学省課題解決型高度医療人材養成プログラムに選定されました
文部科学省
課題解決型高度医療人材養成プログラム
平成26年7月28日、琉球大学大学院医学研究科の「臨床研究マネジメント人材育成」プログラムが、
「取組1:医師・歯科医師を対象とした人材養成」に選定されました。
(選定結果 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1350317.htm)
本事業は、高度な教育力・技術力を有する大学が核となって、我が国が抱える医療現場の諸課題等に対して、
科学的根拠に基づいた医療が提供でき、健康長寿社会の実現に寄与できる優れた医師・歯科医師・看護師・
薬剤師等を養成するための教育プログラムを実践・展開する大学の優れた取組を支援することを目的と
しています。
★「臨床研究マネジメント人材育成」プログラムの概要等
〈テーマに関する課題〉
診療上生じるさまざまな問題の解決には、臨床的疑問に基づいた、真の医師主導型臨床研究の実施
が必要である。橋渡し研究拠点や中核拠点病院の設置により医薬品の開発を目指す研究人材や体制
は育成、構築されつつある。しかしその後の医療の現場で生じる臨床的疑問の解決には臨床的疑問
を適切な研究仮説とすることや、目的に応じた現実的なデザインの選択、研究実施体制の目的に応
じた組織運営などまた違ったスキルが必要とされるが、それらを備えた人材は不足している。地域
医療機関の医師は臨床研究を行いたい意思があっても、診療を離れずにスキルを身につける機会は
少なく、また、スキルを身につけ研究をはじめようとしても研究と診療の両立は容易ではない。特
に地域医療機関では研究資金が潤沢ではないため、研究に特化した人材を十分に雇用できず、結局
企業治験以外では研究支援体制を十分に組めない。倫理審査委員の研修や質の問題もある。しか
し、地域医療の問題解決によるイノベーションの担い手は、地域医療に携わる医師及び他の医療従
事者たちであり、患者に近い、診療の現場を反映した臨床研究こそが医療の質を担保する。そし
て、質の高い研究を生み出すためにはなによりも医療機関全体で人材育成,配置も含めて臨床研究
をマネジメントすることが必要になる。昨今の研究不正問題や利益相反の問題の克服のヒントはこ
こにもある。臨床研究はつまるところ丁寧な診療の集積であり、適切に実施されているかどうかの
チェックも含めて医療機関全体が診療の一環として多職種連携で取り組まなければならない。本事
業はあらたな大学院コース「臨床研究教育管理学」の設置やインテンシブフェローシップ開講、病
院内の臨床研究教育管理センターの開設による支援により、これらの課題の解決を図ろうとするも
のである。
〈目的〉
臨床的疑問を臨床研究で解決できる医師、他職種連携をベースに医療機関全体の研究マネジメント
による研究の質(被験者保護と信頼性)の担保が可能な医師と医療従事者を育成し、医療の質の向
上のために、医療機関の研究環境を整え,研究者を支援し、被験者を守りつつ信頼性の高い結果を
生み出すことを目的とする。
〈取組内容〉
臨床研究マネジメント人材の養成を目的とした臨床研究教育管理学講座を設置し、新たな大学院
コース「臨床研究教育管理学」と後期研修医を対象とした2年間の臨床研究インテンシブフェロー
シップコースを開講する。琉球大学を中心に県内外の医療機関が連携して、総方向の人材支援体制
を確立するため、附属病院には臨床研究教育管理センターを開設し、県内の医療機関で臨床研究に
従事する大学院生,フェローシップ受講生への継続的なメンタリング、研究支援と研究の質の管理
を行う。