私が医学部から得たもの ~大学院医学研究科麻酔科学講座 垣花学 教授~

画像:垣花教授 教授 垣花 学

私が医学部から得たもの

 

琉球大学大学院医学研究科麻酔科学講座の垣花学です。私は沖縄県立那覇高等学校の卒業生で、さらに琉球大学医学部医学科を第5期生として卒業し、現在母校の麻酔科学講座の教授として臨床・研究そして教育に従事しています。麻酔科学講座は臨床系講座ですので、医学部附属病院で手術患者の麻酔管理、重症患者の集中治療管理そして痛みに苦しむ方々に対するペインクリニックを提供しています。

 さて、私は臨床業務以外に研究も行っています。私が研究を始めたのは、医学科卒業後に入学した大学院時代からでした。特に大学院卒業後(1996年)に留学したカリフォルニア大学サンディエゴ校での“脊髄神経保護”の研究は、私のライフワークとなりました。さらにこの留学での人脈は今でも続いており、世界中に多くの友人を作ることができました。また、この“脊髄神経保護”の研究がきっかけとなり、世界的に有名なハーバード大学の関連病院であるマサチューセッツ総合病院(MGH)の麻酔科にVisiting Scientistとして10か月間招待される機会をもらいました。このMGHでの研究は、当時日本では毒薬として知られていた硫化水素ガスを用いた臓器保護、特に脊髄保護の研究に従事しました。この研究は、世界中で誰一人行っていない研究でしたが、硫化水素ガスの臓器保護効果に非常に驚かされました。現在は、日本国内唯一の硫化水素ガス吸入装置を用い、脊髄神経保護効果の研究だけではなく、アルツハイマー病やパーキンソン病への発症予防効果、重症敗血症に対する治療効果、さらにはiPS細胞や神経幹細胞の分化への影響など、独創的な研究を行いその成果を世界に発信していきたいと思います。この2度の米国留学で、世界レベルの研究ならびに研究者と出会うことができたことは私の財産となっており、これは琉球大学医学部に在籍していたおかげで得られた私の宝でもあります。

 琉球大学医学部は“南に開かれた国際性豊かな医学部”を基本理念としており、今後麻酔科学講座でもひとりでも多くの若手医師に国外留学の機会を与え、国際性豊かな麻酔科医・研究者を育てていきたいと思っています。