第58回日本学校保健学会 優秀発表賞 受賞 濱畑有衣子さん

2011年11月11日から13日に名古屋大学で開催された第58回日本学校保健学会において、本学の保健学研究科博士前期課程学校保健学分野大学院生の濱畑有衣子さんがポスター発表の優秀発表賞を受賞しました。

ポスター発表:研究の背景・目的・方法・考察をまとめて1枚の掲示資料として掲示し、ポスター閲覧者との質疑応答やディスカッションを行う研究発表の手法

保健学研究科長高倉教授と受賞者の濱畑有衣子さん

受賞演題「小学生のいじめと自覚症状との関係に及ぼすソーシャルサポートの影響」について
「いじめ」が近年学校現場で取り上げられる大きな問題となっているということで、そのいじめと健康被害との関連については研究が盛んに行われていて、いじめ被害にあったり、いじめ加害を行っていると健康に影響が出てくるということは多く知られています。

ソーシャルサポート:家族や友人、隣人など社会的関係の中でやりとりされる支援のことで、健康行動の維持や、ストレッサーの影響を緩和する働きがある。

しかし、この健康に及ぼす影響を和らげる要因や緩衝要因はないかという点に着目した研究はまだ少なかったので今回、ソーシャルサポートがいじめの健康被害に緩衝するのではないかという推論に基づいて研究し、発表いたしました。
学会発表について

今回の研究は、保健学科の卒業研究として取り組んだテーマを修士課程の研究として深めたものですが、学部生の頃から研究内容に責任を持って取り組んできた結果として、学会発表という機会が得られたと思います。
修士課程になるとこういった学会発表であったり、または他の研究領域にいらっしゃる専門の研究者と意見交換をしたりといった、コミュニケーションやディスカッションがあります。
自分の研究を多くの方に認めてもらえるということは、有意義な経験だと思います。
ですから、学部生の頃から単に研究をするというのではなく、研究成果を発表するという目的を持って研究活動を行っていくことが大事だと感じます。
今後の進路
保健学科では看護師、保健師免許に加えて養護教諭1種免許の取得が可能です。私は昨年10月に、教員採用試験に合格し、来年度は養護教諭として県内の学校で勤務します。
大学院の修士課程は修了まで残り1年ありますし、本学の修士課程を修了した場合、養護教諭専修免許が取得できますから、仕事と両立していく予定です。
後輩の皆さんへ
私自身、修士課程へ進学することについて迷いがありました。
周りのみんなが就職する、社会人として成長していく姿を見ながら、学生として学校に残るということにはやはり葛藤がありました。
自身、早く働いてみたいという気持ちがあったわけですが、学会発表や今回の賞を受賞できたことなど、学校に残って研究を続けたことで経験できたことですから、修士課程の2年間には、この2年間でしか経験できない事というものが多くあると感じています。
学部生の時にこの研究を通して、自分に足りない知識や自分にできない事が多くあるということに気づき、学校に残ってこの研究を続けたわけですが、これは良い選択だったと思います。
学部生で進学について迷っている人には、迷ってもやはり自分がやりたいと思える選択をする事が良い結果を生むので、それならば「やってみる」ことだとアドバイスしたいです。