教育・研究の特色

琉球大学医学部は、わが国で最も新しい国立大学医学部として昭和54年に設置されました。その13年前に医学部の前身である保健学部が設置されております。現在では、医学部に医学科と保健学科が、大学院には医学研究科(修士課程、博士課程)、保健学研究科(博士前期課程・博士後期課程) が設置されています。また、平成22年度から大学院医学研究科が大学院講座化され、医学科教員は大学院教員になりました。今後、令和7年の移転に合わせて、国際性・離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点形成を目指しています。具体的には、高度医療・研究機能の拡充、地域医療水準の向上、国際研究交流、医療人材育成を行います。

教育においては、高い倫理観を備えた質の高い医療人の教育・養成を目指し、医学、保健学、医療技術学に関する普遍的な教育を実施しています。島嶼県沖縄の地域医療を充実させるため、平成21年度から沖縄県と協力して沖縄県出身の学生を地域枠として医学科に受け入れ、離島地域病院実習を含む地域医療教育に力を入れています。一方、国際医療の場でリーダーシップを発揮できる医療人材を養成するために海外での臨床実習を導入しています。その結果もあり、平成30年に日本医学教育評価機構(JACME)から評価基準に適合との認定を受けました。さらに、大学院研究科では沖縄の地域特性に根ざした医学・医療の課題を解決する研究者、指導者を養成するための教育・研究を進めています。

研究面では、がん、脳疾患、循環器疾患などの先進的な研究に加え、わが国で唯一の亜熱帯気候下に位置する島嶼県という沖縄の地域特性に根ざした特色ある研究に力を入れています。具体的には、熱帯・亜熱帯環境下での感染症研究、長寿県沖縄の復興を目指す長寿医学、急速な生活習慣の変化にともなう代謝疾患、生活習慣病の予防、狭い婚姻圏に由来する遺伝性疾患、琉球列島の成り立ちと関連した人類遺伝学、東南アジア地域での国際保健などの領域で活発な基礎的・臨床的研究を進めています。さらに、平成27年度は、沖縄県の再生医療中核拠点としての再生医療研究センターを新設し、再生・発生分野の研究を進めています。

診療面では、琉球大学病院は沖縄県で唯一の特定機能病院であり、エイズ診療拠点病院、がん診療連携拠点病院、肝疾患診療連携拠点病院などの指定、骨髄移植センターの設置により感染症やがん、心臓・循環器疾患、肝疾患、肝移植や骨髄移植などの高度医療を担うとともに、離島医療を含む地域医療の充実にも寄与しています。また、卒後臨床研修病院としてRyuMICプログラムを推進しており、他の病院群では出来ない臨床研修プログラムを提供しています。特に県や医師会などと協力して、オール沖縄の観点から「おきなわクリニカルシミュレーションセンター」を平成24年3月に開設しました。同センターは、多彩なシミュレーターや医療機器を保有しているため、基礎から生涯教育まで、レベルに応じた教育・研修ができ、県内の医療人や医療系学生が活用しています。また、平成24年度にFIMACC(機能画像診断センター)を開設し、平成26年度には災害医療と救急医療の機能を兼ね備えた救急災害医療棟を新設し、平成30年度に地域災害拠点病院に指定されています。さらに、平成26年度に沖縄県の施策として、医師の地域偏在を解消することを目的に「沖縄県地域医療支援センター」が開設され、医学生や医師のキャリア形成支援や、医師不足病院等への支援を行っています。

社会貢献として、地域住民の健康維持・福祉の充実に多大な貢献をしていることはもちろん、沖縄の生物資源を健康に応用する研究などを通じて地域産業の育成にも積極的に関わっています。また、医学部独自の高大接続授業を進めています。国際交流としては、学部および大学院学生を海外の大学に派遣、AMED等の支援によるアフリカ等での医療協力、台北医学大学等との研究交流を進めています。