ウイルス学講座

講座紹介:
感染症の原因となる病原微生物は大きく寄生虫・細菌・ウイルスに分けられます。このうちのウイルスを私たちは研究対象としています。ウイルスは自分自身では増殖できず、生きた細胞をうまくハイジャックできた場合だけ増殖できるという特徴があります。私たちの周囲は多種多様のウイルスであふれていますが、ヒトに病気を起こすウイルスはほんの一握りしかありません。一握りといっても数百種類はあり、ウイルスの性状・伝達様式・感染する臓器・感染経過・重症度は実に様々です。これらのうち、当研究室ではヘルペスウイルスとフラビウイルスの病気のメカニズムの解明と制御を目標に様々な研究を行っています。
私たちの研究室では大学院生を募集しています。やる気、根気、元気があればバックグラウンドは問いません。ウイルスに興味のある方は是非ご連絡ください。
スタッフ紹介:
教授:大野 真治略歴:1999 九州大学医学部卒
2005 九州大学大学院医学研究府卒
2005-2016 九州大学大学院医学研究院ウイルス学教員
2008-2011 ミュンヘン・ヘルムホルツ研究所
2016 琉球大学大学院医学研究科ウイルス学講座教授-
准教授:
只野 昌之略歴:
1977 大阪工業大学工学部応用化学科卒
1977-1978 同研究生
1978-1983 医療法人錦秀会阪和病院付属臨床検技師学院 教員
1981-1985 大阪大学微生物病研究所防疫学部門 研究生
1985-現在 琉球大学医学部ウイルス学講座 教員
1991 博士号(医学)取得 琉球大学医学研究科にて
1994-1996 米国 国立衛生研究所 (NIH, NIAID, LID, MVBS) 研究員
1996-1997 国際協力事業団長期専門家(ウイルス学)としてラオス国派遣 -
助教:
斉藤 美加略歴:
1984 北海道大学獣医学部卒
1986 北海道大学大学院獣医学研究科博士課程前期修了
1986-88 青年海外協力隊(トンガ王国)
1990-91 釧路市立博物館(非常勤職員)
1991 東京大学医科学研究所、熱帯医学研修
1991-現在 琉球大学医学研究科ウイルス学講座 教員
1992-1994 JICAウイルス学専門家ラオス国PHCプロジェクト
ラオス保健大臣賞(デング熱対策)
2006 日本福祉大学国際開発学科通信制 国際開発学修士取得
2011 博士(獣医学)北海道大学大学院
研究概要:
ヘルペスウイルスは成人の大部分が感染しているごくありふれたウイルスです。ヘルペスウイルスには8種類あり、そのうちのEpstein-Barrウイルスとカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスを研究対象としています。これらのウイルスはガンウイルスとしても知られ、ヒトにガンを引き起こすことがあります。
もう一つの研究対象であるフラビウイルスに含まれるウイルスには日本脳炎ウイルス、デングウイルス、ジカウイルス、ウエストナイルウイルスのほかいくつかのウイルスが含まれます。フラビウイルスの大部分は蚊によって媒介され、日本脳炎・デング熱・ジカ熱・ウエストナイル熱などを引き起こします。これらの感染症は世界各地で流行しており、日本でも流行する可能性が危惧されています。
これらのウイルスがヒト体内や細胞に侵入し、どのように増殖し病気を引起すのかを遺伝子組換えウイルス、培養細胞、実験動物を用いて解明しています。また、ウイルス感染症と戦う手段としてワクチンによる予防と治療薬による治療がありますが、こういった対抗手段の開発にも力を入れています。現在はよりよいワクチンの開発に重点をおいています。さらに、沖縄島の日本脳炎ウイルスの生態の解析や、沖縄県内で採取した蚊でのウイルス陽性率を調べ、患者発生のリスク調査を行っています。
私たちの研究室では大学院生を募集しています。やる気、根気、元気があればバックグラウンドは問いません。ウイルスに興味のある方は是非ご連絡ください。
- お問合せ先:
- 琉球大学医学部基礎研究棟8階
- TEL:098-895-1708
- FAX:098-895-1723
- eMail:soono@med.u-ryukyu.ac.jp