2018 年頭の挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。昨年の成果と今年の抱負を述べて、皆様に新年の挨拶を申し上げたいと思います。

1.教育面について
  医学科は、昨年の12月に、日本医学教育評価機構(JACME)による医学教育分野別評価を受審しました。これはわが国の医学教育の質を国際的基準として保証するために平成29年度に正式導入されたものです。受審に向けて、多くの教職員、また、研修医、学生の皆さんのご協力をいただきました。ここに篤くお礼を申し上げます。

   今回の受審により、医学部として組織的に医学教育プログラムを改めて見直す機会となりました。本年6月には正式な「外部評価報告書」が公表されます。フィードバックすることにより、アウトカムベイスドラーニングを目指し、PDCAサイクルを働かせて、教育プログラムの改良を持続的に進めていく必要があります。地域枠定員の維持も認可され、17名で続きます。今後、卒業後の専門医取得などのローテーションモデルを作成する必要があります。
 保健学科は平成29年度から本学独自の多様な学事歴に対応するため、クォーター制を導入しました。今後、学生及び教員のアンケート調査を踏まえ、効果を検証する予定です。

2.国際交流について
 保健学研究科では国際化を推進しています。次期国費外国人留学生特別プログラムは残念ながら継続が採択されませんでしたが、現在のプログラムでフィリピン、ラオス、インドネシアから多くの大学院生を招いています。また、これまでのフィリピン大学マニラ校、ラオス国保健省との協力関係以外に、インドネシアのマタラム大学と新たに共同研究を進める準備を進めています。また琉球大学戦略的プロジェクト経費が採択され、フィリピン大学マニラ校から特任助教が来ており、1月からは韓国からヨンセイ大公衆衛生学部のヌム教授がサバティカルを利用して琉球大学に客員教授として来られる予定です。今年1月22日には、フィリピン大学マニラ校、台北医学大学、ラオス国保健省、インドネシアのマタラム大学、アイルランガ大学から研究者を招いて、公開シンポジウムを開催します。
 医学研究科・医学科としては、ハノイ医科大学、シンガポールの南洋理工大学との交流協定を結びました。また、3月に東京理科大学、台北医学大学と共催で第2回国際バイオメディカル・インタフェース・シンポジウムを台医学大学にて開催し、今年は、沖縄で開催予定です。

3.研究について
  多数の科学研究費補助金を獲得し、また、概算要求事業として、「ガス分子群を用いた革新的治療法の開発を目指した橋渡し研究」、「亜熱帯島嶼の時空間ゲノミクス」、「沖縄県地域医療拠点形成に向けた先端医学研究センターの設置」が走っています。また、沖縄県の先端医療実用化推進事業やAMEDの「難治性疾患実用化研究事業」「臨床研究・治験推進研究事業」(臨床薬理学講座)を活用しつつ整備を推進しています。
 優れた研究業績として、Blood(内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座、細胞病理学講座)、 Diabetologica (薬理学講座、内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座)、The Journal of Infectious Disease (皮膚科学講座)、Leukemia(細胞病理学講座)、Human Genetics(第一内科と人体解剖学講座など)に論文が発表されました。また、熱帯医学会賞(山城哲教授)、熱帯医学会相川正道賞(小林潤教授)などの表彰もございました。今年もまた、素晴らしい雑誌への掲載をお願いいたします。

4.医学部および同附属病院の移転について
 平成30年度概算要求として内閣府から、沖縄健康医療拠点整備経費3.1億円が措置されました。昨年3月に「琉球大学医学部及び同附属病院移転整備基本計画」を策定しました。さらに、昨年9月には、上原地区キャンパス移転推進本部を設置し、体制を強化しました。また、昨年の10月から、基本設計に入り、今年9月には、「琉球大学医学部及び同附属病院移転整備基本設計」を策定します。平成28年11月から琉大用地の買取(宜野湾市土地開発公社による先行取得)を進めており、今年度末に完了する予定です。平成36年度末(2025年)を目処に、医学部及び同附属病院を宜野湾市(平成27年3月に返還されたキャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区))に移転することを目指しております。この医学部及び同附属病院の移転について、国が目指す国際性と離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点に相応しいキャンパス整備を目指し、全学を挙げて取り組むため、皆さまのご協力をお願いいたします。

4月にも述べましたが、教育、研究、診療環境の整備は、大事です。ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは重要な責務であると考えています。
 最後ではございますが、皆様のご多幸と健康を祈念し、また、医学部並びに同附属病院の発展を祈願し、年頭の挨拶といたします。ご静聴ありがとうございました。

 

 

平成29年1月4日
琉球大学医学部長 石田 肇

大学院医学研究科長/ 医学部長からのメッセージ

琉球大学医学部にとって、2020年までの4年間は今後を左右する時期です。つまり、さらに発展が出来る時期であると同時に、衰退する可能性も秘めています。その前半2年間の医学部長を努めさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

医学部の発展のためには、大学本部、文部科学省、内閣府、沖縄県と密接な関係を保ちながら、沖縄県という大事な地域特性を基に、学生教育および医学研究に取り組み、医学部を国際的なレベルに発展させなくてならないと考えています。この沖縄の特性ですが、AMEDのプログラム・ディレクターの方からも 「国内の疾患をターゲットとしたゲノム・臨床研究をどのような地域や住民を対象にして行うのが適切なのか、という点をAMEDからも明確にしてほしいと言われております。」ということで、沖縄県がいかに大事な地域であるか、興味を持ってみているとも言われています。まだ、具体的な提案までは行かないのですが、いくつか、所信表明でも書いたことを述べたいと思います。

1.医学部と附属病院の西普天間移転に向けた取り組み

医学部発展の最大要素です。ここは全員一致で行きましょう。昨年度作成した基本計画を、基に、今後、実質的な基本設計に入ります。就任以来、本学の大城学長、須加原理事、福治理事、西田理事とも話をしております。が、もちろん、医学研究科、保健学研究科、医学部からの意見を反映させて、先端的な医学教育研究機能の充実を図ります。とくに、移転後に、まだ、バリバリと活躍できる若い方の意見を吸い上げることが大事と思います。附属病院については、附属病院長、診療科長ならびに医療関係者らが中心となって、診療機能を拡充できる設計が必要であると考えています。

2. 医学保健学教育のさらなる発展

医学科教務委員長を8年間努めた経験から、医学教育企画室(両教務委員会、学生生活委員会)を中心に、医学科においては、ミッションと医学教育分野別認証(8つの卒業時コンピテンス)を基にした医学教育を行い、優れた医師・医学研究者養成を実施します。先ほどのべた、沖縄の地域特性を大事にしながら、国際性を併せ持つことがミッションに書かれていますので、医科学研究、臨床実習などで、その点を重視してゆきます。保健学科においても、看護コース、検査技術学コースともにミッションを明確化し、より進んだ学部教育ブログラムを開発しなければなりません。医学科と同様ですが、専門看護師の養成など、沖縄県を今後もリードする事が大事です。また、実習中心に医保連携ブログラムをさらに推進する必要があります。もちろん、学生を勉学面と心身面の両輪から支えるシステムも大事です。国家試験合格については、看護師がほぼ100%を達成しているのに対し、医師国家試験が低めなので、これも克服して行く必要があると考えています。

3.医学研究科(医学科)・保健学研究科(保健学科)の研究の発展

運営費交付金の削減が続き、研究活動の活性化のために外部資金獲得(概算要求、競争的資金、県との合同事業など)が必須です。そのためには、臨床医学と基礎医学、保健医学との共同研究を推進する必要があります。例えば、先端医学研究センターにおける臨床と基礎の橋渡し研究体制の整備が進んでいますが、より一層の強化が求められます。

また、大学が進めている、研究科の統合方針に従えば、修士課程を中心とする改組を計画し、医学系研究科として一つにまとまり、沖縄の健康長寿崩壊を復興し、アジアの国々に貢献できる人材の育成や研究を行うことも必要になってきます。さらに、生命医科学研究科などへの拡充も可能ではないかと考えます。妄想に近いのですが、熱帯生物圏研究センターも飲み込むくらいの勢いが必要ではと思います。

これらの取り組みを具体化するためには、外部資金の獲得等をもとに、クロスアポイントメント、人事交流を盛んにして、質の高い論文を生産し、実のある教育・研究を進めて行く必要があります。

もちろん、教育、研究、診療環境の整備は、大事です。ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは我々の責務です。

この実現のために、教職員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ、ご挨拶といたします。

【医学部長就任の挨拶 スライド】