2023年 医学部長年頭の挨拶

皆様、新年明けましておめでとうございます。本年も、どうぞ、宜しくお願い申し上げます。新年を迎えるにあたり、昨年の医学部・医学研究科の活動を振り返り、今年の抱負を述べさせていただきます。

 

1.人事

医学研究科では、昨年4月、人体解剖学講座に木村亮介教授、10月、感染症・呼吸器・消化器内科学講座に山本和子教授をお迎えしました。山本和子教授は医学研究科初の女性教授です。保健学科では、7月、母性看護学講座母性看護・助産学分野に遠藤由美子教授をお迎えしました。上原キャンパス事務部では、4月、文部科学省から加藤善一上原キャンパス事務部長・普天間キャンパス(仮称)準備室長(併)をお迎えしました。また、仲本律雄総務課長、知念芳和企画課長、および池原広和管理課長をお迎えしました。

 

2.教育

昨年の医師国家試験の合格率は、新卒が93.6%(全国平均95.0%、全国81校中第65位)、全体(新卒+既卒)が91.4%(全国平均91.7%、全国81校中第53位)でした。昨年の成績は全国平均を少し下回りましたが、最近10年間は全国平均と同等かそれを上回る良い成績をあげています。保健学科の国家試験の合格率は、看護師は96.7%、保健師は100%、助産師は100%、臨床検査技師は81.3%で、いずれも良い結果でした。これらの成果は、教務委員会、学生生活委員会、医学教育企画室、各教員、および学務課の努力のたまものだと思います。

 

3.研究

昨年、医学研究科・保健学科から沢山の研究成果が発表されました。内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座の仲地講師、岡本助教、益崎教授らの研究グループは、糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬が成人T細胞白血病患者に由来するリンパ球系癌細胞の異常増殖を著明に抑制することを世界で初めて明らかにしました。この知見は、成人T細胞白血病の全く新しい治療法の開発に繋がる画期的成果です(Biomedicine & Pharmacotherapy 2022, IF 7.420)。また、保健学科疫学・健康教育学分野の高倉教授らの研究グループは、コロナ禍の日本人集団において生活領域別の身体活動レベルに社会経済格差が見られるか否かを検討し、コロナ禍では身体活動の社会経済格差が拡大していることを世界で初めて明らかにしました(Public Health 2022, IF 4.984)。

 

4.医学部の取組

昨年、医学部に新型コロナのPCR検査体制を立ち上げました。医学部の学生・教職員およびその家族に無料でPCR検査を提供しています。また、医学部のセキュリティーの強化のために暗証番号式ドアロックを増設、研究支援体制の強化のために先端医学研究センターにMedical DX分野および感染症分野を新設、医学部・病院のロゴマークを作成、教授会のハイブリッド開催を導入しました。

 

5.移転

医学部と病院の宜野湾市西普天間地区への移転事業が国策として進められています。皆様のご支援・ご協力のおかげで、移転事業は順調に進捗しています。現在、病院棟は7階まで建設工事が進んでいます。医学部の開学日および病院の開院日は、2年後の2025(令和7)年初頭を予定しています。

最後に、抱負を述べさせていただきます。私は、本医学部・医学研究科がさらに発展するように、今年も誠心誠意尽力してまいります。教職員の皆様には、自分の仕事に誇りを持って、元気で、楽しく働いていただければ誠に幸甚でございます。新しい年が、皆様にとりまして、明るい夢と希望をもって歩みを進めていくことのできる輝かしい一年になりますことを衷心より祈念申し上げ、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。

 

2023(令和5)年1月4日

琉球大学医学部長
琉球大学大学院医学研究科長
筒井 正人

2022年 医学部長年頭の挨拶

皆様、新年明けましておめでとうございます。

新年を迎えるにあたり、昨年の医学部・医学研究科の活動を振り返り、今年の抱負を述べさせていただきます。

1. 医学部創立40周年

本医学部は1979(昭和54)年に設置され、2年後の1981(昭和56)年から学生の受け入れを開始しました。学部創立は学生の受け入れ時から数えるそうで、今年度は医学部創立40周年にあたります。
 これまでに医学部が輩出した卒業生数は医学科3,487名、保健学科2,392名におよびます。保健学科は医学科よりも歴史が古く、前身の琉球大学保健学部が1969(昭和44)年から学生の受け入れを始めていて、それを含めると保健学科の卒業生数は2831名です。本学部の卒業生は、沖縄県の医師数および臨床検査技師数の約4割を、そして、沖縄県内看護系3大学(琉球大、県立看護大、名桜大)の教員数の約7割を占めるまでになっています。

2. 人事

医学研究科では、昨年4月、生化学講座に黒柳秀人教授を、救急医学講座に梅村武寛教授をお迎えしました。また、昨年7月、放射線診断治療学講座に西江昭弘教授をお迎えしました。保健学科では、戦略的ポスト再配分において2つのポストを獲得し、今年4月、在宅・慢性期看護学分野に関口浩至准教授をお迎えする予定です。また、病態検査学講座に助教を採用する予定です。
 上原キャンパス事務部においては、昨年4月、鈴木極学務課長、仲本律雄企画課長、崎山英樹管理課長、および仲里隆司医事課長をお迎えしました。

3. 教育

昨年の医学科の医師国家試験の合格率は過去10年間で最も良い成績でした。新卒と既卒を合わせた合格率は95.5%で、全国80大学中19位でした。また、保健学科においても、看護師、保健師、助産師の国家試験の合格率はすべて100%でした(新卒のみ、既卒は受験者なし)。臨床検査技師の国家試験の合格率も全国平均とほぼ同等の77.8%でした(新卒のみ)。素晴らしい結果です。

4. 研究

昨年は医学部・医学研究科において沢山の研究成果が発表されました。先進ゲノム検査医学講座の前田士郎教授、松波雅俊助教らの研究グループは、沖縄県、内閣府、および文科省の支援を受けて、宮古諸島の住民が3つの異なる遺伝集団に分類されることをゲノム解析によって明らかにしました。狭い地域の住民において複数の遺伝集団が存在することを示した世界初の成果です(Mol Biol Evol 2021, IF 16.240)。
ゲノム解析によって明らかになった宮古諸島の人々の由来(本学公式HP)

また、形成外科学講座の清水雄介教授らは、沖縄県およびAMEDの支援を受けて、ヒト組織を企業に提供する審査体制(産業利用倫理審査委員会)を学内に構築しました。日本初の成果です。このことにより日本における再生医療等製品の開発が飛躍的に進展することが期待されます。
製薬企業へのヒト組織提供  日本初の「琉球大学産業利用倫理審査委員会」による承認  難病に対する再生医療等製品の開発加速へ(本学公式HP)

5. 地域貢献

千原キャンパスにおいて昨年8月と9月に行われたCOVID-19ワクチン接種では、医学部・医学研究科・病院から延べ296名を派遣し支援を行いました。近隣の大学もワクチン接種の対象でしたが、接種を受けた沖縄国際大学、キリスト教学院大学、および沖縄県立芸術大学からは感謝の言葉をいただいております。また、沖縄県新型コロナウイルス感染症対策本部や専門家会議への参画、沖縄県COVID-19ワクチン接種の支援、並びに保健所業務の支援などを行いました。

6. 移転

医学部と病院の宜野湾市西普天間地区への移転計画は順調に進捗しています。医学部の開学日および病院の開院日は、3年後の2025(令和7)年初頭を予定しています。病院棟は建設工事が進行中で、医学部棟は今年8月頃から建設工事が始まる予定です。

最後に、抱負を述べさせていただきます。私は、本医学部・医学研究科がさらに発展するように、今年も誠心誠意尽力してまいります。教職員の皆様には、自分の職場に誇りを持って、元気で、楽しく働いていただければ幸甚でございます。新しい年が皆様にとりまして輝かしい一年になりますことを衷心より祈念申し上げ、私の新年のご挨拶とさせていただきます。

2022(令和4)年1月4日
琉球大学医学部長
琉球大学大学院医学研究科長
筒井 正人

医学部長 就任の挨拶

4 月1 日付けで医学部長・医学研究科長を拝命いたしました、筒井正人でございます。就任にあたり一言ご挨拶を申し上げます。

1. 医学部・医学研究科・病院の移転計画の推進

現在、医学部・医学研究科と病院は、4年後の2025(令和7)年の宜野湾市西普天間地区への移転に向けて、その準備が進められています。病院は建設工事が始まっており、医学部・医学研究科においては施設のヒアリングが進行中で、設計と施工の受注者が8月に決定する予定です。また、これまで病院と一体でCOVID-19 に対応してきた経験をふまえ、医学部・医学研究科においても、密を避けられる広い講義室や学生・職員食堂を検討していただきたいと思っております。皆様の様々な要望を丁寧にくみ上げて、皆様が納得できる施設ができるように尽力いたします。

 

2. 連携強化による保健学科と医学研究科の発展

保健学科と医学研究科の連携の強化は、両者の教育・研究の活性化に資すると思います。今年度から保健学研究科・保健学科の講義を医学研究科と共同で実施することにしました。医学研究科・医学科の講義を保健学科と共同で実施することも計画しています。各種委員会活動については保健学科で負担が大きい場合は医学研究科が担当します。また、西普天間では保健学科の実験室の確保のため機器センターの有効利用を検討いたします。西普天間では保健学科と医学研究科が同じ研究棟で仕事をすることになり物理的にも連携が深まります。その布石として着実に連携を強化していきたいと思います。

 

3. 医学研究科・保健学科の教育の充実

教育面においては、COVID-19 の収束が見込めない中、遠隔による講義が学生の修学や心身に与える影響が危惧されます。その対策として、4月から対面あるいは対面とWEBのハイブリッドの講義を行います。さらに、指導教員、各種委員会、医学教育企画室の活動を中心として一層の学生支援をいたします。今年の国家試験の成績は、保健学科、医学科ともに良かったです。保健学科は、看護師、保健師、助産師の合格率がいずれも100%でした。医学科も、新卒と既卒をあわせて133名が受験し不合格者は6名だけで(合格率95.5%)、全国80大学中19位で、過去10年間で最も良い成績でした。これらの結果は本学部の教育が優れていることを示唆していると思います。

 

4. 医学研究科・保健学科の研究の活性化

研究においては外部資金の獲得が必要不可欠です。そのために、各省庁、沖縄県、大学本部、企業等に頻繁に出向いて交渉し情報を入手したいと思います。臨床系の社会人大学院生は、仕事が忙しく、研究費も十分ではないため、研究がなかなか進まない状況にあります。その支援のため、4月から実験実習機器センターにおいてダイレクトシークエンスやゲノム解析などの研究支援を開始します。今後、研究支援体制をさらに拡充・強化していきます。2016(平成28)年に設立された先端医学研究センターは、令和4年度から始まる第4期中期目標・中期計画期間も引き続き発展するように、そして、全学的・恒久的な組織になるように取り組んでまいります。

 

5. 病院と一体となった医学部・医学研究科の発展

病院は1年前に医学部から独立した組織になりました。それを受けて医学部長の役割は変化し、病院と協調して医学部の管理運営を担うことになりました。そのため、 医学科長の皮膚科学講座 高橋健造教授および副医学部長の消化器・腫瘍外科学講座 高槻光寿教授には、臨床系講座の教授として病院との連携にも力を発揮していただきます。病院との協調性を大切にして医学部・医学研究科・病院が一体となって発展するように尽力して参ります。

 

最後に、『将来に希望を持てる、魅力ある医学部・医学研究科・病院』になるよう誠心誠意努力することをお約束し、私のご挨拶とさせていただきます。

2021年4月1日

琉球大学医学部長・大学院医学研究科長
筒井 正人

2021年 医学部長年頭の挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

昨年はCOVID-19の感染拡大を受けて、教育、研究及び診療への対応に追われたかと思います。その中でも、たくさんの成果が上がりました。その成果と今年の抱負を述べて、皆様に新年の挨拶を申し上げたいと思います。

1.教育面について

活動制限を受けて、オンデマンド型のWebClassを活用した遠隔授業か、ZoomやMicrosoft Teamsを用いた双方向型のいずれかの遠隔授業を実施しました。そのため、オンライン授業等の実施にあたり、学生への連絡、出欠の方法、システムの操作など運用マニュアルを整え、令和2年4月7日に科目担当教員向けの説明会を実施しております。遠隔授業に対応するため、貸出用のWifiルータ等も用意し通信環境が整っていない学生に限り、講義室等を開放して対応しました。

臨床実習が休止された期間の一部は動画コンテンツにより、症例検討を中心としたオンライン実習を実施しました(令和2年5月11日~5月22日)。その後は、病院関係者のご尽力により、臨床実習を続けることができています。医学科は、臨床実習後OSCEが令和2年度から正式実施となりましたが、これも無事終了しました。解剖学実習は、保健学科との合同実習ができなくなりましたが、令和2年12月21日に無事終了しました。

遠隔授業の事例ですが、組織学実習は、概要説明をリモートで行い、実習時間の短縮化を図りました。さらに前半・後半の2グループに分けて定員の50%以下での対面実習を継続し、一方、バーチャルスライド活用を促進しています。試験は、一部の科目については、Web上での試験を実施しました。出題の順序をランダムにする、1問あたりの回答時間を制限する、WEBカメラをオンにして受験させる、出題問題を約400問プールして、その中から25問をランダムに出題など、極力公平性を担保しています。来年度はハイブリッド授業が可能か?検討課題です。

令和3年度入学者選抜においても、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う追試験の実施をはじめ感染防止対策を徹底した入試の実施を行うため、ご協力をお願いしたいと思います。

2.国際交流

国際交流はほぼ止まってしまいました。それでも、保健学研究科では国際化を推進しています。フィリピン大学、チェンマイ大学との学生交流や国費外国人留学生(フィリピン、ラオス、インドネシア)の受入を行なっています。

医学研究科・医学科としては、昨年度は、医科学研究では、昨年度、米国コロラド大学医学部、ハーバード大学医学部、ベルギーサンリュック病院、シンガポール南洋理工大学、台湾チメイ病院に3年次学生を派遣し、令和2年2月末に無事帰国しています。今年度は、海外派遣は中止になりました。台湾との国際交流も中止になっています。

3.研究について

基盤研究Aを始めとする多数の科学研究費補助金を獲得し、また、概算要求事業として、「亜熱帯島嶼の時空間ゲノミクス」、「沖縄県地域医療拠点形成に向けた先端医学研究センターの設置」が走っています。さらに、「沖縄バイオインフォメーションバンク試料解析保管システム」が補正予算で整備されます。また、沖縄県の先端医療実用化推進事業やAMEDの「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業(新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬開発)」、「中央IRB促進事業」、「女性の健康の包括的支援実用化研究事業-Wise」および武田科学振興財団特定研究助成を活用しつつ整備を推進しています。

これらをもとに、多数の論文が出版され、プレスリリースを行ってもらいました。どんどん、アウトリーチも進めていければと思います。

また、クロスアポイントメントとして、2名の特命教授を迎えました。合計4名になりました。先進医療創成科学講座を設置し、令和3年2月1日に教授をお迎えします。また、上原キャンパス事務部に企画・研究推進室を設置し、事務からのバップアップ体制を作りました。

4.医学部及び病院の移転について

令和2年度第3次補正として、54.8億円、令和3年度概算要求として、沖縄健康医療拠点整備経費が措置され、合計約139億円となりました。令和2年度には土地取得を進めていて、合計で約16haの敷地を取得予定です。病院棟は建設が始まり、研究棟・講義実習棟の実施設計を進めます。 この医学部及び病院の移転について、国が目指す国際性と離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点に相応しいキャンパス整備を目指し、全学を挙げて取り組むため、皆さまのご協力をお願いいたします。

毎年述べていますが、教育、研究、診療環境の整備は、大事であり、ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは重要な責務であると考えています。特に医学部・病院、つまり上原キャンパス(上原事業場)は、大学全体の約3分の2の教職員が働く大所帯ですので、働き方改革も行っていく必要があります。

私の任期は今年3月に終了しますので、令和3年度以降の取組は病院長と次期医学部長に引き継ぎます。

最後に、皆様のご多幸と健康を祈念し、また、医学部及び病院の発展を祈願し、年頭の挨拶といたします。

2021(令和3)年1月4日

琉球大学医学部長 石田 肇

2020 年頭の挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

昨年は保健学部・医学部保健学科設立50周年を迎え、今年は医学科では第40期の入学生を迎えることになります。 では、昨年の成果と今年の抱負を述べて、皆様に新年の挨拶を申し上げたいと思います。

1.教育面について

医学科は、臨床実習後OSCEは、令和元年度にトライアル実施され、本年令和2年度から正式実施となります。過密なスケジュールの中恐縮ですが、ご協力を賜りますようお願いいたします。

保健学科はクオーター制が定着し、それを利用して保健学科学生を公的資金で2週間の短期留学に送り出しています。また、遠隔授業・招聘授業による単位互換の開始を行なっています。 大学院および人材育成については、文部科学省補助金事業として、多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン、「実践力と研究力を備えた法医学者育成事業」が進められています。

2.国際交流

保健学研究科では国際化を推進しています。フィリピン大学、チェンマイ大学との学生交流や国費外国人留学生(フィリピン、ラオス、インドネシア)の受入を行なっています。

医学研究科・医学科としては、シンガポールの南洋理工大学との臨床実習での交流が始まりました。現在、医科学研究では、米国コロラド大学医学部、ハーバード大学医学部、ベルギーサンリュック病院、シンガポール南洋理工大学、台湾チメイ病院に3年次学生を派遣中です。また、東京理科大学、台北医学大学と共催で昨年3月国際バイオメディカル・インタフェース・シンポジウム台湾新竹市の国立交通大学で行い、今年も3月に台北医学大学で開催いたします。

3.研究について

基盤研究Aを始めとする多数の科学研究費補助金を獲得し、また、概算要求事業として、「亜熱帯島嶼の時空間ゲノミクス」、「沖縄県地域医療拠点形成に向けた先端医学研究センターの設置」が走っています。さらに、「沖縄バイオインフォメーションバンク試料解析保管システム」が補正予算で整備されます。また、沖縄県の先端医療技術実用化促進事業やAMEDの「難治性疾患実用化研究事業」、「臨床研究・治験推進研究事業」、「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」、武田科学振興財団特定研究助成を活用しつつ整備を推進しています。

また、クロスアポイントメントとして、2名の特命教授を迎えました。さらに、病院の周産母子センターに銘苅桂子教授を採用できたことは大きな出来事でした。来年度もクロスアポイントメントで、古田耕先生を採用予定です。

4.医学部及び同附属病院の移転について

令和2年度概算要求として内閣府から、沖縄健康医療拠点整備経費約88.9億円が措置されました。令和元年12月に、移転に必要な用地面積の1/3にあたる、約5.5haを取得し、令和2年度以降も引き続き取得を進め、合計で約16haの敷地を取得予定です。附属病院棟・研究棟・講義実習棟の主要3棟の実施設計が進んでいます。 この医学部及び同附属病院の移転について、国が目指す国際性と離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点に相応しいキャンパス整備を目指し、全学を挙げて取り組むため、皆さまのご協力をお願いいたします。

今年は琉球大学でもついに人事給与マネジメント改革が始まります。  事務部の協力のもと、進めて参りたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

昨年も述べましたが、教育、研究、診療環境の整備は、大事であり、ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは重要な責務であると考えています。

最後ではございますが、皆様のご多幸と健康を祈念し、また、医学部及び同附属病院の発展を祈願し、年頭の挨拶といたします。

2020(令和2)年1月6日

琉球大学医学部長 石田 肇

2019年度 就任の挨拶

この度は医学部長に信任していただき、誠にありがとうございます。今後2年もよろしくお願いいたします。大屋祐輔理事・附属病院長、医学部・医学研究科執行部とともに、医学部・医学研究科・保健学研究科の発展に寄与する所存です。

1.医学部及び同附属病院の移転について
平成31年度概算要求として内閣府から、沖縄健康医療拠点整備経費約59億円が措置されました。一昨年の10月から、基本設計に入り、医学部及び同附属病院移転整備基本設計が終了し、本年度から本格的に実施設計に着手しています。平成30年3月に、宜野湾市土地開発公社による琉大用地の先行取得が完了し、平成31年度より、買い戻し手続きを開始します。2025年を目処に、医学部及び同附属病院を宜野湾市(平成27年3月に返還されたキャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区))に移転することを目指しております。この医学部及び同附属病院の移転について、国が目指す国際性と離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点に相応しいキャンパス整備を目指し、全学を挙げて取り組むため、皆さまのご協力をお願いいたします。

2.教育面について
医学科は、一昨年の12月に、日本医学教育評価機構(JACME)による外部評価を受審し、昨年11月1日付けで評価基準に適合しているとして認定されました。認定期は、2018年11月1日から2025年10月31日までとなります。本評価におきまして、改善の提言を受けた事項については、組織的に見直すとともに、教職員及び学生へフィードバックしていき、皆様とともに、毎年良い教育プログラムとなるよう改善につとめてまいりたいと思います。また、医学科6年次に係る共用試験臨床参加型臨床実習後OSCE(POST CC OSCE)をこの秋に開始します。この3月の医師国家試験合格率が全国平均をかなり上回り、皆様及び学生さんの努力の賜物であり、たいへんにおめでたいことです。医科学研究では、海外・県外に飛び出す学生も多く、優秀な発表をしており、今年度の発表も素晴らしいものがありました。
保健学科はクオーター制が定着し、それを利用して保健学科学生を公的資金で2週間の短期留学に送り出しています。また、遠隔授業・招聘授業による単位互換の開始を行なっています。今後は、附属病院看護部との協力体制の構築を図りたいと思います。
大学院および人材育成については、文部科学省補助金事業として、「臨床研究マネジメント人材育成」、多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン、実践力と研究力を備えた法医学者育成事業が進められています。その結果、定員を充足する大学院生を迎えることができました。保健学研究科では公衆衛生学コースの設置を考えていきたいと思います。

3.国際交流
保健学研究科では国際化を推進しています。フィリピン大学、チェンマイ大学との学生交流や国費外国人留学生(フィリピン、ラオス、インドネシア)の受入を行なっています。2月には、フィリピン大学、ラオス国保健省、台北医学大学、インドネシア・アイルランガ大学、マタラム大学との国際シンポジウムを開催しました。延生大学から客員教授を招聘しています。
医学研究科・医学科としては、昨年の9月にシンガポールの南洋理工大学から副学部長らが琉球大学を訪問し、来年度から臨床実習での交流が始まります。また、東京理科大学、台北医学大学と共催で昨年3月に第3回国際バイオメディカル・インタフェース・シンポジウムを沖縄で開催し、今年3月には第4回を台湾新竹市の国立交通大学で行い、育成医学の中西教授が発表されています。

4.研究について
基盤研究Aを始めとする多数の科学研究費補助金を獲得し、また、概算要求事業として、「亜熱帯島嶼の時空間ゲノミクス」、「沖縄県地域医療拠点形成に向けた先端医学研究センターの設置」が走っています。さらに、「沖縄バイオインフォメーションバンク冷蔵試料管理システム」が整備されました。また、沖縄県の先端医療実用化推進事業やAMEDの「難治性疾患実用化研究事業」「臨床研究・治験推進研究事業」AMED「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」、武田科学振興財団特定研究助成を活用しつつ整備を推進しています。今年度運営費交付金の一部を、産学連携等研究収入、寄附金などの教員一人当たりの額により、増減されています。医学部及び同附属病院の獲得額が一番多いのですが、皆様のますますのご尽力をお願いしたいところです。これらの外部資金の獲得等をもとに、クロスアポイントメント、人事交流を盛んにして、研究の底上げが必要になります。すでに、千葉大学からクロスアポイントメントで特命教授を採用し研究が始まっています。
昨年の優れた研究業績として、Blood, Cell Reports(内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座、いづれも筆頭著者), American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(薬理学講座、責任著者), Diabetes, Circulation(先進ゲノム検査医学講座、共著者), Science(人体解剖学講座、共著者)などがありました。今年度もまた、素晴らしい雑誌への掲載をお願いいたします。

昨年も述べましたが、教育、研究、診療環境の整備は、大事です。ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは重要な責務であると考えています。最後ではございますが、皆様のご多幸と健康を祈念し、また、医学部及び同附属病院の発展を祈願します

 

平成31年4月2日
琉球大学医学部長・医学研究科長 石田 肇

2019 年頭の挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

昨年の成果と今年の抱負を述べて、皆様に新年の挨拶を申し上げたいと思います。

1.教育面について

医学科は、一昨年の12月に、日本医学教育評価機構(JACME)による外部評価を受審し、昨年11月1日付けで評価基準に適合しているとして認定されました。認定期間は、2018年11月1日から2025年10月31日までとなります。本評価におきまして、改善の提言を受けた事項については、組織的に見直すとともに、教職員及び学生へフィードバックしていき、皆様とともに継続的により良い教育プログラムとなるよう改善に努めてまいります。また、医学科6年次に係る共用試験臨床参加型臨床実習後OSCE(POST CC OSCE)のトライアルを実施しました。

保健学科はクオーター制が定着し、それを利用して保健学科学生を公的資金で2週間の短期留学に送り出しました。また、遠隔授業・招聘授業による単位互換の開始を行なっています。

大学院および人材育成については、文部科学省補助金事業として、「臨床研究マネジメント人材育成」、多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)」養成プラン、「実践力と研究力を備えた法医学者育成事業」が進められています。

2.国際交流

保健学研究科では国際化を推進しています。フィリピン大学、チェンマイ大学との学生交流や国費外国人留学生(フィリピン、ラオス、インドネシア)の受入を行なっています。2月には、フィリピン大学、ラオス国保健省、台北医学大学、インドネシア・アイルランガ大学、マタラム大学との国際シンポジウムを開催します

医学研究科・医学科としては、昨年の9月にシンガポールの南洋理工大学から副学部長らが琉球大学を訪問し、来年度から臨床実習での交流が始まります。また、東京理科大学、台北医学大学と共催で昨年3月に第3回国際バイオメディカル・インタフェース・シンポジウムを沖縄で開催し、今年3月には第4回を台湾新竹市の国立交通大学で行います。

3.研究について

基盤研究Aを始めとする多数の科学研究費補助金を獲得し、また、概算要求事業として、「ガス分子群を用いた革新的治療法の開発を目指した橋渡し研究」、「亜熱帯島嶼の時空間ゲノミクス」、「沖縄県地域医療拠点形成に向けた先端医学研究センターの設置」が走っています。さらに、「沖縄バイオインフォメーションバンク冷蔵試料管理システム」が整備されました。また、沖縄県の先端医療実用化推進事業やAMEDの「難治性疾患実用化研究事業」、「臨床研究・治験推進研究事業」、「再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業」、武田科学振興財団特定研究助成を活用しつつ整備を推進しています。

優れた研究業績として、Blood, Cell Reports(内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座、いずれも筆頭著者), American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine(薬理学講座、責任著者), Diabetes, Circulation(先進ゲノム検査医学講座、いずれも共著者), Science(人体解剖学講座、共著者)などがありました

4.医学部及び同附属病院の移転について

平成31年度概算要求として内閣府から、沖縄健康医療拠点整備経費約59億円が措置されました。一昨年の10月から、基本設計に入り、医学部及び同附属病院移転整備基本設計のとりまとめ及び実施設計に着手しています。平成30年3月に、宜野湾市土地開発公社による琉大用地の先行取得が完了し、平成31年度より、買い戻し手続きを開始する予定です。2025年を目処に、医学部及び同附属病院を宜野湾市(平成27年3月に返還されたキャンプ瑞慶覧(西普天間住宅地区))に移転することを目指しております。この医学部及び同附属病院の移転について、国が目指す国際性と離島の特性を踏まえた沖縄健康医療拠点に相応しいキャンパス整備を目指し、全学を挙げて取り組むため、皆さまのご協力をお願いいたします。

昨年も述べましたが、教育、研究、診療環境の整備は、大事であり、ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは重要な責務であると考えています。

最後ではございますが、皆様のご多幸と健康を祈念し、また、医学部及び同附属病院の発展を祈願し、年頭の挨拶といたします。

平成31年1月4日
琉球大学医学部長 石田 肇

大学院医学研究科長/ 医学部長からのメッセージ

琉球大学医学部にとって、2020年までの4年間は今後を左右する時期です。つまり、さらに発展が出来る時期であると同時に、衰退する可能性も秘めています。その前半2年間の医学部長を努めさせていただきます。どうぞ、よろしくお願いいたします。

医学部の発展のためには、大学本部、文部科学省、内閣府、沖縄県と密接な関係を保ちながら、沖縄県という大事な地域特性を基に、学生教育および医学研究に取り組み、医学部を国際的なレベルに発展させなくてならないと考えています。この沖縄の特性ですが、AMEDのプログラム・ディレクターの方からも 「国内の疾患をターゲットとしたゲノム・臨床研究をどのような地域や住民を対象にして行うのが適切なのか、という点をAMEDからも明確にしてほしいと言われております。」ということで、沖縄県がいかに大事な地域であるか、興味を持ってみているとも言われています。まだ、具体的な提案までは行かないのですが、いくつか、所信表明でも書いたことを述べたいと思います。

1.医学部と附属病院の西普天間移転に向けた取り組み

医学部発展の最大要素です。ここは全員一致で行きましょう。昨年度作成した基本計画を、基に、今後、実質的な基本設計に入ります。就任以来、本学の大城学長、須加原理事、福治理事、西田理事とも話をしております。が、もちろん、医学研究科、保健学研究科、医学部からの意見を反映させて、先端的な医学教育研究機能の充実を図ります。とくに、移転後に、まだ、バリバリと活躍できる若い方の意見を吸い上げることが大事と思います。附属病院については、附属病院長、診療科長ならびに医療関係者らが中心となって、診療機能を拡充できる設計が必要であると考えています。

2. 医学保健学教育のさらなる発展

医学科教務委員長を8年間努めた経験から、医学教育企画室(両教務委員会、学生生活委員会)を中心に、医学科においては、ミッションと医学教育分野別認証(8つの卒業時コンピテンス)を基にした医学教育を行い、優れた医師・医学研究者養成を実施します。先ほどのべた、沖縄の地域特性を大事にしながら、国際性を併せ持つことがミッションに書かれていますので、医科学研究、臨床実習などで、その点を重視してゆきます。保健学科においても、看護コース、検査技術学コースともにミッションを明確化し、より進んだ学部教育ブログラムを開発しなければなりません。医学科と同様ですが、専門看護師の養成など、沖縄県を今後もリードする事が大事です。また、実習中心に医保連携ブログラムをさらに推進する必要があります。もちろん、学生を勉学面と心身面の両輪から支えるシステムも大事です。国家試験合格については、看護師がほぼ100%を達成しているのに対し、医師国家試験が低めなので、これも克服して行く必要があると考えています。

3.医学研究科(医学科)・保健学研究科(保健学科)の研究の発展

運営費交付金の削減が続き、研究活動の活性化のために外部資金獲得(概算要求、競争的資金、県との合同事業など)が必須です。そのためには、臨床医学と基礎医学、保健医学との共同研究を推進する必要があります。例えば、先端医学研究センターにおける臨床と基礎の橋渡し研究体制の整備が進んでいますが、より一層の強化が求められます。

また、大学が進めている、研究科の統合方針に従えば、修士課程を中心とする改組を計画し、医学系研究科として一つにまとまり、沖縄の健康長寿崩壊を復興し、アジアの国々に貢献できる人材の育成や研究を行うことも必要になってきます。さらに、生命医科学研究科などへの拡充も可能ではないかと考えます。妄想に近いのですが、熱帯生物圏研究センターも飲み込むくらいの勢いが必要ではと思います。

これらの取り組みを具体化するためには、外部資金の獲得等をもとに、クロスアポイントメント、人事交流を盛んにして、質の高い論文を生産し、実のある教育・研究を進めて行く必要があります。

もちろん、教育、研究、診療環境の整備は、大事です。ハラスメントの無い教育現場、診療現場を保つことは我々の責務です。

この実現のために、教職員の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ、ご挨拶といたします。

【医学部長就任の挨拶 スライド】