6年続けてのケニアでのボランティア皮膚科診療

DSC00102.JPG皮膚病態制御学講座の大学院生の内海大介と申します。ケニアの農村での皮膚科診療活動についてご紹介します。

中央アフリカに位置するケニアは、世界的に見てもHIV感染率の高い国で、活動拠点としているケニアの貧村のニャンザ州Gem East村では、感染率が15.1%と依然高い地域です。私は、2011年からケニアでのHIV/AIDS診療支援を目的とするアサンテ名古屋というNPO団体に帯同し、毎年2週間ほどの日程でケニアの同地を訪問してきました。

主な目的は、HIV/AIDS診療の専門医ともに参加唯一の皮膚科医として診療を行い、彼らの活動をサポートすることです。皮膚疾患を合併しているAIDS患者は勿論のこと、外傷、熱傷、感染症などの一般的な皮膚疾患を持つ多くの非AIDS患者を診察しきました。Gem East村は上下水道、電気、ガスなどのインフラが全くない村であり、当然、医療機器もないような現場では、はなから日本と同じレベルの検査や治療を行うことは不可能です。このような状況では、自分の知識や手技の不十分さが如実に現れることを痛感します。日本国内での診療活動に如何に、検査機器、文献、ネット情報に依存していたかを思い知らされます。一方で、多くの制限がある中でも、皮膚科医の『目』と『手』を活かした診療を行うことで、皮膚科医としての存在意義を強く再確認することができました。

本年も参加するアフリカ・ケニアでのボランティア皮膚科診療活動での貴重な経験は、大学での診療・研究の糧になると強く感じています。

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