システム生理学

当教室は排尿生理に着目して、世界的な研究に取り組んでいます。

加齢、糖尿病、脳梗塞、パーキンソン病、腹圧性尿失禁といった女性特有の疾患、間質性膀胱炎といった難治性疼痛疾患など様々な病態モデルを用いて排尿障害のメカニズムの解明、創薬の開発を行っています。

排尿は単なる生命現象ではなく、高次脳機能、生体内のホメオスターシスにも関与し、臨床的にも基礎的にも研究の重要性が増してきています。私たちは橋渡し研究を積極的に推進しています。

大学院生を随時募集しています。どうぞ、お気軽にご相談下さい。

(098-895-1110、miyaz929@med.u-ryukyu.ac.jp

放射線診断治療学

脳神経外科学

脳神経外科は、初代六川二郎教授(1975-1997)により、昭和56年(1981)12月に琉球大学医学部附属病院脳神経外科、ついで昭和59年(1984)4月には医学部脳神経外科学講座が開設されました。2代吉井與志彦教授(1997-2009)の後を受けて、平成21年6月に、石内が三代目の教授として群馬大学脳神経外科から赴任いたしました。

石内はグルタミン酸受容体と脳疾患との関連を特にグリア細胞に着目して解析してきました。最近の成果は、カルシウム透過性AMPA型受容体のグリア-神経回路網での役割(Science 2000)、グリオーマの脳浸潤能に関する研究(Nature Medicine 2001)、がんにおけるグルタミン酸-カルシウム透過性AMPA型受容体Aktシグナリング(J Neurosci 2007)という新しい情報回路網の発見があります。これ等の研究成果は悪性脳腫瘍の新規治療剤の開発へ結びつき、臨床試験で画期的な成果が認められています(J Clin Oncol 2009)。「脳科学を基盤とする脳神経外科学の発展」を目標に、若い研究者や医師と脳科学の魅力を共有し、一生涯に渡り学問を行う重要性を教育したいと考えております。

眼科学

2017年10月1日付で眼科学講座教授に着任致しました古泉英貴と申します。私は現在に至るまで、主に網膜硝子体疾患の病態に興味を持ち、患者さんの視機能改善およびQOL向上への還元を常に意識して、長年研究に取り組んで参りました。具体的には様々な網膜硝子体疾患において非侵襲的な新規画像診断法の開発および臨床応用を行うことで、新しい疾患概念の確立および治療理論の提案を行ってきました。中でも本邦の失明原因の最上位疾患の一つであり、今後も大幅な増加が見込まれる加齢黄斑変性に関しては全国でもトップクラスの治療経験を有し、それに基づいた世界最先端の研究を行っていると自負しています。琉球大学眼科では従来から緑内障領域、角膜領域において、久米島スタディを初めとした世界的に高く評価されている研究が行われてきました。その伝統に私が長年にわたり行ってきた網膜硝子体領域の研究を加え、実臨床につながる研究を飛躍的に発展させる所存です。

育成医学

育成医学(小児科)講座は、診療の対象疾患領域が多彩であり、それぞれのスタッフの専門領域が研究の対象となっている。それぞれの分野での研究を積極的に進めていく方針である。具体的内容は以下の通りである。

 

<小児腎臓病>

◎腎炎・ネフローゼ症候群に対する臨床治療研究
●厚生労働科研研究(JSKDC)
●小児IgA腎症治療研究会
●小児難治性腎疾患治療研究会
◎遺伝性,先天性腎疾患に関する研究
●アルポート症候群に関する研究
●ネフローゼ症候群の原因遺伝子に関する研究
●多発性嚢胞腎に関する研究
◎慢性腎疾患の発症・進展機序・管理に関する研究
 ●IgA腎症に関する研究

 

<小児血液・腫瘍性疾患>

◎小児血液腫瘍疾患に対する多施設共同試験
●日本小児白血病リンパ腫研究グループ(JPLSG)
●日本小児がん研究グループ(JCCG)
◎難治性進行神経芽腫に対するKIRリガンド不一致臍帯血移植の有効性についての多施設共同試験
◎リツキシマブを用いた小児難治性慢性ITP治療の有効性の検討
◎造血細胞移植後の慢性消化管GVHD患者に対する経口ベクロメタゾン試験
◎同種造血細胞移植後合併症である慢性GVHDにおける循環血中の抗原提示細胞に発現するNKG2Dリガンドの病態関与への役割の解明
◎小児同種造血細胞移植後早期に発症する心膜炎発症のメカニズムの解明

 

<先天性代謝異常>

◎先天代謝異常症の新生児マススクリーニング
◎先天代謝異常症における細胞内代謝に関する研究

 

<小児膠原病・リウマチ性疾患>

◎小児期発症リウマチ性疾患の我が国における疫学調査についての多施設共同研究
◎全身型特発性関節炎に合併するマクロファージ活性化症候群の診断基準についての多施設共同研究
◎若年性皮膚筋炎に合併する間質性肺炎の病態と特異的な自己抗体との関係に関する研究
◎中條-西村症候群類似新規疾患の臨床的・分子生物学的病態解析
◎小児期発症リウマチ性疾患の移行期医療について(移行期の心理的要因と治療効果について)

 

<新生児疾患>

◎新生児重症呼吸循環不全症例の予後の改善をめざした集学的治療戦略の検討
◎低出生体重児の子宮外発育遅延(EUGR)を回避するための治療戦略の検討

 

<小児内分泌疾患>

◎小児がん経験者(CCS)における内分泌疾患の検討

 

<小児神経・筋疾患>

◎難治性てんかんの発達予後改善のための先端治療の導入
◎脳波異常と発達障がいとの関連の解析および治療法の検討
◎筋疾患の診断と予後・QOL改善のための取り組みの検討
◎重症心身障がい者・児の栄養・QOL改善のための医療的介入の検討

 

<小児アレルギー疾患>

◎基礎疾患・合併症を有する難治性アレルギー疾患の病態研究
◎アレルギー疾患の発症予防およびアレルギーマーチ(アレルギー性疾患の連鎖的な発症)の抑制を目的とした介入研究

 

<希少・難治性疾患の治療研究と分子生物学的病態解析>

◎小児稀少・未診断・難治性疾患に対する解明の取り組み(IRUD-P)

 

耳鼻咽喉・頭頸部外科学

基礎研究

  1. ヒト内リンパ嚢における水代謝関連ペプチド及びその受容体に関する研究
  2. 頭頸部悪性腫瘍発生,治療効果と関連する遺伝子群およびウイルス感染の検索
  3. 放射線治療中の咽頭痛と口腔内真菌症との関連性についての研究
  4. 真珠腫性中耳炎の診断における拡散強調MRIの有用性
  5. ゴアテックスを用いた甲状軟骨形成術
  6. 難聴遺伝子解析と臨床応用に関する研究
  7. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)とGERD(胃食道逆流症)/LPRD(咽喉頭酸逆流症)の相  関について
  8. ゴアテックスを用いた甲状軟骨形成術
  9. 掌蹠膿疱症における扁桃摘出術の長期効果に関する調査
  10. 脳機能画像を用いた音声障害の研究

臨床・臨床研究(高度医療・特徴的医療)
■耳疾患
・ メニエール病の手術治療、保存的治療
・ 中耳炎、真珠腫に対する機能的中耳手術
・ 聴力改善手術
・ 小耳症含む外耳、中耳奇形手術
・ 小児・成人人工内耳手術
・ 小児難聴に対する聴能・言語訓練
・ 人工内耳リハビリ,フィッティング
・ 自己免疫性内耳疾患の診断・治療
・ 突発性難聴に対する薬物、高圧酸素療法
・ 補聴器フィッティング
・ 補聴器適合試験
■鼻・副鼻腔疾患
・ 鼻副鼻腔疾患のナビゲーション手術
・ 内視鏡を用いた鼻・副鼻腔低侵襲手術(腫瘍、炎症)
・ 喘息をともなった好酸性副鼻腔炎の治療
・ アレルギー性鼻炎の高周波凝固治療
・ 嗅覚障害治療
■口腔・咽頭・喉頭・唾液腺疾患
・ いびき、睡眠時無呼吸症に対する咽頭形成術
・ 嗄声に対する音声改善手術
・ 嚥下障害の診断、手術治療
・ 唾液腺腫瘍手術
・ 味覚障害治療
■頭頸部腫瘍・形成
・ 頭頸部癌の集学的治療
頸部超音波検査,超音波ガイド下穿刺吸引細胞診
(手術治療:再建手術含む、放射線治療、化学療法)
・ 形成外科・再建外科
唇裂・口蓋裂(術後の鼻変形を含む)
顔面変形、その他の先天性変形(顔面裂多合指症、多趾症など)
顔面骨骨折、軟部組織損傷、外傷後の傷跡、血管腫
母斑(巨大色素性母斑など)
腫瘍切除後再建(乳房再建、鼻の再建など)
潰瘍、美容外科(要相談)

教育
卒後教育
取得可能専門医:耳鼻咽喉科専門医,形成外科専門医,気管食道科学会専門医,がん治療認定医,頭頸部がん専門医
課程・論文博士
希望により大学院の進学をめざす。

精神病態医学

先進ゲノム検査医学

先進ゲノム検査医学講座は、旧遺伝医学講座(基礎医学講座)と先進検査医学講座(臨床医学講座)を統合して新設された講座で、基礎医学研究を臨床医学に応用する事を目指しています。
ゲノムとは、いわば生命の設計図であり、人では細胞の中の主に染色体におさめられているDNA情報のことで、およそ30億文字の暗号から成ります。人にはそれぞれの個性があり、その個性をお互いが尊重してより良いものにしていく事が大切です。それは、医療の世界にもあてはまります。たとえば、同じような環境に育っても、病気になる人もいれば、ならない人もいます。同じ薬を飲んでも、よく効く人、効きにくい人、副作用が出てしまう人がいます。このような個人差はヒトゲノム情報の個人差で決められていて、どのような個人差でその違いがでるのかがわかれば、一人一人に最適な医療を効率よく受けられるようになります。英語では「パーソナライズドメディスン(personalized medicine)、日本語では個別化医療、オーダーメイド医療やテイラーメイド医療と呼ばれる事もあります。しかし、ゲノム情報だけで個性(個人差)が決められている訳ではありません。一人一人が、どのような環境でどのような生活習慣(食事や運動など)を持っているかが、さらに重要な因子として関わってきます。当講座では、将来的にゲノム情報と環境要因を統合した研究を沖縄の地で行い、沖縄県民のみならず、多くの人の役に立つ情報を発信し、個別化医療の実現を目指します。

当講座では、臨床応用を見据えた基礎研究を行う、大学院生、研究生を募集しています。興味のある方はいつでも第2基礎研究棟2階にお越し下さい。メールなどでご連絡いただいても結構です。

再生医学

再生医療・細胞治療の研究および臨床実施を目的とした講座です。ES細胞、iPS細胞などを用いた基礎研究から、細胞治療を臨床で行うための橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)まで、幅広く研究を行っています。われわれの研究室では、大学院生や共同研究者を幅広く募集しておりますので、興味のある方は上記メールアドレスまでご連絡ください。

分子解剖学

沿 革

分子解剖学講座は、1982(昭和57)年4月、医学部解剖学第2講座として開設され、安澄文興初代教授が20年に渡って教室を主宰してきた。

2007(平成19)年4月、高山千利が2代目教授に就任し、准教授:栗原一茂、助教:大倉信彦、技術職員:森安牧子、屋比久雪路で新しい研究室をスタートした。2010年大学院の部局化により、分子解剖学講座と名称を変更した。2012年4月、兵庫医科大学より岡部明仁が助教に就任。2013年3月、栗原一茂准教授が熊本保健科学大学教授に栄転。2013年5月、岡部明仁が准教授に昇任。2016年7月、技術専門職員の屋比久雪路が学務課に異動。2017年3月、岡部明仁准教授が西南女学院大学教授に栄転。2017年9月、清水千草が准教授に就任した。その間、特命助教に清水千草、金正泰(Kim Jeongtae)、小林しおりが就任した。2016年8月より米須麻子が事務補佐員として働いている。

常時大学院生が所属し、これまでに、医学博士の学位を4名、医科学修士の学位を5名が取得した。現在、博士課程2名、修士課程1名が在籍している。

 

学部教育

分子細胞生物学、人体の構造と機能、組織学実習、神経科学、発生再生医学の統合科目に参加し、主として、組織学、神経解剖学の領域を分担担当している。

 

研 究

研究面では、中枢神経系と生殖器を主な領域としている。中枢神経系では、抑制性神経伝達物質であるγアミノ酪酸(GABA)とグリシンに注目し、発生、再生、そして、痛み、行動異常への関与を明らかにしている。また、沖縄健康長寿復興のための、食行動に関する研究も進めている。
 

ゲノム医科学

主として、ヒト内在性レトロウイルス (human endogenous retrovirus, HERV) 研究とエピジェネティクスの複合遺伝性疾患への関わりを追求しています。

HERV 研究ではHERVの生理的・進化的役割の解明を目指して、正常組織で発現しているHERVを探索し、特徴的な3つを同定しています。gagまたはenv領域に蛋白コード枠がとれる各1つは、in vivoでの蛋白合成と細胞局在を検討中です。他の1つは蛋白コード枠のない転写物が核に局在します。近年、ノンコーディングRNAは多様な様式で遺伝子発現調節に関与していることが明らかにされています。このような観点から興味深いものです。

エピジェネティクス研究では統合失調症を対象にDNAのメチルC含量を検討しました。男性患者と健常者に差が存在すること、ハロペリドールはメチル化に影響を与えることなどを明らかにしました。メチル化は遺伝子発現に関係します。そこで、ラット脳を用いてハロペリドールによって発現変化を来す遺伝子をマイクロアレイで探索し、自動定量RT-PCRで検証しました。ハロペリドールによってメチル化の変化を受けるDNA配列を同定することが次の課題です。

また、地中海熱の日本人患者の遺伝子解析の共同研究を行い、日本人特有の異常を見いだしました。遺伝性疾患の遺伝子解析があれば同じように共同研究をしたいと思います。