先進医療創成科学

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私たちの体では、ナンセンス変異(タンパク質の翻訳が途中で終わってしまう変異)が存在するmRNAを積極的に分解排除する、mRNA監視機構を有し、正常なmRNAとタンパク質の発現を保証しています。一方で、この機構はがん抗原をコードする変異mRNAや、途中まででも機能を有するタンパク質をコードする変異mRNAも分解してしまいます。

私たちの研究室では、mRNA監視機構の活性が生体内で調節されるメカニズムを、特に細胞ストレスとの関係を中心に理解し、新たな希少遺伝性疾患治療、がん治療法の開発につなげています。また、RNA転写後制御機構であるmRNA監視機構の基礎研究で培った技術基盤を用いることで、様々な疾患の治療・予防法の開発につながる研究を展開することを目指しています。

 

【医学科1年生の皆さんへ】
琉球大学医学部医学科では、入学後すぐに高校生物の知識を前提とした「分子細胞生物学」の講義が始まります。どうしてもついて行けない方は、山下までメールしてください。基礎学習法をサポートします。

【大学院生・学振PD募集中】
本研究室では、臨床応用を見据えた基礎研究を行う、学振PD、大学院生、医師、研究生を募集しています。生物を学んでない分子生物学初心者、情報系学部出身者も歓迎します。医学科、保健学科学生の研究室参加も応援します。興味のある方はいつでもメールでご連絡ください。

大学院:琉球大学大学院 医学研究科
 令和3年度入学は令和2年8月上旬[1次募集]、令和3年1月中旬出願[2次募集]でした。
 令和4年度入学については、以下の「医学研究科」の所を確認してください。
 琉球大学 大学院入試情報

学振PD:日本学術振興会 特別研究員 募集要項
 令和4年度研究員電子申請:令和3年2月中旬~6月10日(木)17:00

 

人体解剖学

教育活動
1年次で解剖学実習と人体の構造と機能を担当しています。解剖学実習では、教科書をGray’s Anatomy for Studentsに指定し、英語での試験を実施しています。6年次の10名ほどの学生には、クリニカルクラークシップの最後に、臨床各科にご協力をいただいて、臨床解剖学実習を実施します。これまでに参加した科は、脳神経外科、整形外科、耳鼻咽喉科、一般外科、放射線科など多岐に亘ります。大学院では、修士課程で、人体構造実習として、見学実習を行っています。
また、保健学科学生、他の理学療法士、作業療法士などの医療系養成機関の学生のために、見学実習を行います。

研究活動
琉球列島の人々、本土日本人集団の系統と生活誌の多様性を解明しています。とくに、先島や離島住民の遺伝学的研究を進めています。琉球列島の人々の遺伝的データを収集し、琉球の各島々における日本本土の古代人集団および中国(明など)からの渡来などの遺伝的寄与率を推定するほか、ゲノムワイドな多様性解析から地域特異的に働いた自然選択の痕跡を探求するなど、琉球諸島民が形成される過程を文理融合型研究として進めます。

分子・細胞生理学

・精神疾患の病態解明に向けゲノム解析や疾患iPS細胞技術を統合したアプローチによって、その治療・予防法の開発を目指しています。

・エネルギー産生の主分子である酸素に着目し、低酸素・酸化ストレスシグナルの解明を目指しています。また同時に、酸素供給システムの破綻である虚血性疾患の治療法を探っています。

・研究室では、修士・大学院生や共同研究者を募集しています。私たちの研究に興味のあるかたは大歓迎です。詳細はホームページをご覧ください。

薬理学

私達は、長年にわたり、一酸化窒素(NO)の研究を行ってきました。NO合成酵素(NOSs)完全欠損マウス(triple n/i/eNOSs-KOマウス)を世界に先駆けて開発し、NOSsが高血圧、高脂血症、高血糖、代謝症候群、心筋梗塞、心不全、腎不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含めた全身の様々な疾患の成因に重要な役割を果たしていることを明らかにしてきました。最近では、活性硫黄の研究、遺伝子治療の研究、食物アレルギーの研究も行っています。

薬理学では、修士課程や博士課程の大学院生や研究生を募集しています。研究に興味さえあれば、学部・専門分野を問わず、どなたでも大歓迎です。どうぞ、お気軽にご相談下さい
(E-mail tsutsui@med.u-ryukyu.ac.jp、TEL 098-895-1135)。

胸部心臓血管外科学

麻酔科学

整形外科学

三次元画像を用いた解析で、患者さんの治療に直結する研究を行っている。

形成外科学

  • 形成再建外科学
  • 脂肪幹細胞を用いた再生医療研究
  • オープンイノベーションによる医療機器開発研究
  • 血管解剖研究

腎泌尿器外科学

顎顔面口腔機能再建学

救急医学

臨床薬理学

薬物治療学(協力)

琉球大学医学部附属病院と連携し、医療現場に活用できる基礎研究および臨床研究を実践しています。 主に、以下の 3 項目の研究を重点的に推進したいと考えています。

1) 薬物代謝酵素や薬物トランスポータ・薬物受容体の遺伝子解析による個別化医療の研究。医薬品の適正使用のための調査研究。

2) 医薬品による副作用、特に肝障害や重症薬疹の予測法の臨床応用に関する研究。

3) 沖縄県の特徴を踏まえた地域医療に関する活動と研究。

臨床の場で実際に活用でき、沖縄県民に研究成果を還元できるような、臨床薬学研究および地域医療研究を目指しています。近年の高齢化社会の進展に伴い、医療現場では各医療従事者の専門性を生かしたより高度なチーム医療による治療が行われるようになってきています。この現状に対応するように大学卒業後の生涯教育を目的とした公開講座や研究会も活発に開催していきたいと考えています。病院や薬局に努める薬剤師など社会人大学院生も歓迎しています。

【大学院学生に対する教育】 臨床に基づいた研究を通して、薬学または医学研究者としての科学的な発想および創造性の啓発を図り、豊かな臨床知識と人間性を持った薬剤師・医師の養成に努めています。薬物治療学講座に所属する大学院生は臨床薬学・医療薬学の研究者・教育者、がん領域などの専門薬剤師、治験・臨床開発などの幅広い医療関連分野で活躍できる人材を養成することが想定されるため、大学内での教育研究に加えて、臨床現場での実践的な研究を遂行する意欲と問題発見・解決能力を養成することが必要です。これを実践するためにも病院・薬局・製薬会社・研究所との密接な連携を構築しています。学生個々の専門領域に関連する薬物療法のテーマを設定して、今後の医師・薬剤師・看護師等の医療人として役立つ医療薬学的な研究を進めています。

研究テーマは、以下のような薬物相互作用や遺伝子多型に起因する副作用発現など、臨床で起こる様々な問題を解決する研究を推進しています。

①  リツキシマブ投与によるインフュージョンリアクション発症メカニズムの解明

②  糖尿病治療薬のコンプライアンスに関する研究

③  ボリコナゾールによる肝障害に関する研究

④  睡眠薬による転倒転落事故のリスク因子に関する研究

⑤  沖縄県に特有な健康食品と医薬品の相互作用に関する研究