医化学

私共の担当は、細胞生物学です。細胞は、時々刻々細胞外からの情報を受容し、増殖、分化、アポトーシス、分泌、運動など多彩な応答を行っています。細胞外情報と細胞応答の間をつなぐのは、細胞内情報伝達系です。細胞内情報伝達系を構成する情報伝達分子の多くは、分子間相互作用に関わるドメインを持っています。これらのドメインを介して情報伝達分子は複合体を形成します。色々な複合体が細胞外情報に応じて形成されることで、細胞応答が時間的、空間的に巧妙に制御されます。また、複合体の形成は、複数の情報伝達系が協調して働くのにも必要です。癌や感染症では、細胞内情報伝達系の制御や協調が破綻したり攪乱されたりしています。
細胞生物学分野では、分子間相互作用を手がかりに、未知の細胞内情報伝達系とそれを構成する情報伝達分子を探索し解析しています。また、癌や感染症での細胞内情報伝達系の破綻や攪乱についても解析しています。探索や解析には、酵母や線虫 C. エレガンスから哺乳動物まで様々な実験系を使っています。研究には、教官、大学院生にまじって学部学生も参加しています。

生化学

1. 神経細胞での細胞内情報伝達系の相互作用と神経細胞の分化や生存の制御機構

神経細胞内には、様々な細胞内情報伝達系を構成するタンパク質リン酸化酵素が豊富に存在します。これらのタンパク質リン酸化酵素が正常に機能することで、神経細胞の分化や生存が制御されていると考えられます。本研究では、神経細胞の分化や生存に関与する細胞内情報伝達系を、細胞膜上でのタンパク質分解反応との関連で解析しています。

2. 脳でのリボソーム機能の調節とシナプス可塑性

シナプス可塑性は記憶や学習などの脳機能の基盤となっています。シナプス可塑性の制御にはタンパク質リン酸化反応が関与しています。これまで主に、タンパク質リン酸化反応による短時間のシナプス可塑性の形成と維持機構について研究されてきました。
しかし、記憶の中・長時間の維持に関与するシナプス可塑性の分子機構については、明らかにされてはいません。本研究では、タンパク質リン酸化反応がリボソーム機能を調節することで中・長時間の記憶が維持されている可能性を検討しています。

3. Diamond-Blackfan 貧血症へのタンパク質リン酸化反応の関与

Diamond-Blackfan 貧血症は、先天性に赤芽球の分化が障害された遺伝性疾患です。
貧血が主症状ですが、全身性の様々な症状が知られています。本疾患は、リボソームタンパク質の遺伝子の変異により起こります。最も頻度が高いのは、 RPS19 とよばれるリボソームタンパク質の変異です。最近の私達の研究で、 RPS19 の機能がタンパク質リン酸化反応により調節されていることがわかってきました。現在、 RPS19 の遺伝子変異によるリン酸化反応の障害が本疾患の発症に関与している可能性を検討しています。

腫瘍病理学

・腫瘍の臨床病理学的解析
・腫瘍幹細胞的性格を有する細胞分画の研究
・実際の病理診断で経験する症例に立脚した研究

以上のような研究テーマを中心に研究環境の構築・整備を進めており、今後、講座HPも開設予定としております。他の研究テーマに興味がある方とも話をさせていただきたいと考えております。病理学研究に興味のある方は是非ご連絡ください。

細胞病理学

悪性リンパ腫をはじめとする造血器腫瘍は、その臨床病理学的特徴、分子生物学的特徴が詳細に解析されており、形態像のみならずフローサイトメトリーによる細胞マーカー検索、FISH法、PCR法、サンガー法を駆使した遺伝子解析が日常診断レベルで行われている数少ない腫瘍の一つです。さらに現在、ヒトゲノムの解読や次世代シークエンス技術の進歩に伴い、造血器腫瘍の病態に関与する新規遺伝子が次々に見つかっており、今後はそれらを加味した疾患概念の構築および新規治療法の開発が重要な研究テーマになります。現在はこの大きなテーマを達成すべく、研究環境の構築に取り組んでおります。この研究に興味がある人とはぜひ話をさせてもらえればと思います。

衛生学・公衆衛生学

衛生学・公衆衛生学は「組織的な対策によって、人々(集団)の疾病予防・健康増進を図る」学問です。衛生学・公衆衛生学の領域は多岐にわたり、具遺体的には感染症、環境保健、母子保健、小児保健、成人保健、高齢者保健、学校保健、産業保健、国際保健などを挙げられます。その中から、当講座は成人の非感染性疾患(特に循環器系領域)の予防を中心に、小児~高齢者の幅広い年齢層の健康の保持・増進に貢献するための疫学研究(ヒト集団を観察すること)を展開していきます。沖縄の課題に注目し、公衆衛生の向上につなげる研究と実践の両面で、しかも関連する臨床系講座と連携しながら活動していきます。このような私どもの思いに共感し、一緒に活動していただける自治体、事業所、学校などの関係者、公衆衛生学・疫学を深く学びたい大学院進学希望者はぜひお気軽に当講座をお訪ねください。教室員一同、ご来訪をお待ちしています。

法医学

琉球大学法医学教室では多くの法医解剖を実施しています。過去3年間の法医解剖・鑑定数は以下のとおりです。

2015年1月~12月
法医解剖540体(司法解剖:243体 調査法解剖:219体 承諾解剖:78体) 死体検案:50体 生体検査:7例 物体検査:2例

2016年1月~12月
法医解剖556体(司法解剖:246体 調査法解剖:207体 承諾解剖:103体) 死体検案:15体 生体検査:11例

2017年1月~12月
法医解剖478体(司法解剖:226体 調査法解剖:197体 承諾解剖:55体) 死体検案:14体 生体検査:9例 物体検査:2例

2018年1月~12月
法医解剖472体(司法解剖:237体 調査法解剖:202体 承諾解剖:33体) 死体検案:11体 生体検査:16例

内分泌代謝・血液・膠原病内科学

基礎研究:

  • 現代沖縄型食・ライフスタイルがもたらす肥満症・2型糖尿病の病態解明と新規治療法の開発
  • 白血病の新規治療法の開発、骨髄移植に伴う代謝内分泌系へのインパクト解析
  • 持続血糖モニター装置(CGM),グルコースクランプを用いた糖尿病治療薬の評価法の開発
  • 内分泌・代謝疾患の分子医学的病態解明
  • 膠原病における内分泌代謝異常の病態解明

臨床・臨床研究

  • 内分泌代謝疾患
    • 間脳・下垂体疾患(下垂体機能低下症、クッシング病、先端巨大症、尿崩症など)
    • 甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病など)
    • 副甲状腺疾患(骨カルシウム代謝異常)
    • 副腎疾患(クッシング症候群、アルドステロン症、褐色細胞腫など)
    • 性腺疾患
    • 糖尿病(種々の動脈硬化性疾患を含む)
    • 脂質異常症
    • 肥満症(メタボリックシンドローム、抗肥満薬)
    • 骨粗鬆症(加齢性、ステロイド性、糖尿病性など)
  • 膠原病疾患(膠原病、自己免疫疾患の体系的な理解と先進医療、生物学的
    製剤による治療、代謝内分泌系に与えるインパクト解析)
  • 血液疾患
    • 造血器悪性疾患(急性白血病、慢性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)
    • 再生不良性貧血
    • 特発性血小板減少性紫斑病
    • 血友病

教育
卒後教育
取得可能な専門医:内科 専門医、糖尿病 専門医、内分泌代謝 専門医、甲状腺 専門医、血液内科 専門医

循環器・腎臓・神経内科学

消化器・腫瘍外科学

女性・生殖医学